【航海日誌】星に祈りを届ける神社【フィールドワークレポその2】

 さて、フィールドワークレポートの続きです!

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諏訪神社からの道は住宅街の中。しかも階段。そして蒸し暑い!!顔がにっちょにちょになって到着したのが、西山神社(妙見宮)。今回のメインスポット。

 

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西山神社のご由緒

 長崎聖堂の学頭で唐通事 盧 草拙が寛文年間(1660年代)から××していた北辰妙見尊星と諏訪社吟味役村田四郎次(酒屋町居住)が信仰していた妙見尊星を草拙所有地であったこの浄地(現在地)に神社××祀ることとし妙見様を信仰していた時の長崎奉行石河土佐森の許××享保二年(1717年)から二年間の歳月をかけて享保四年(1719年)8月25日に社殿全部完成し西山妙見社と称××永××大菩薩鎮宅霊府尊神鎮座の霊域となった。

 

説明書き看板が葉っぱの向こうにあってよく見えなかった(>_<)

長崎聖堂」がどこのどんな施設だったのか・・・ネットじゃ見つけられなかったけど市内に跡地があるらしいから、今度現地調査に行くゾ!

そこの唐通事、通訳をしていた草拙さんが信仰していたのが北辰妙見尊星で、これは北極星を神格化した星信仰の神様ね。

 

この草拙さんナニモンや!と思ったらちゃんと説明されているブログがありました。

www.mirokuya.co.jp

江戸時代の天文学者だって。星読みさんだね!

 同著によれば、長崎に生まれ育った渡来人三世の草拙は、両親を早くに失い、祖母のもとで育てられたとのこと。体が弱く、病気がち。読書を好み、独学で博識を広げ、苦労のなか、若いうちに多くの弟子をとって生計をたてたそうです。その後、長崎聖堂の学頭も勤めており、天文学者としては江戸へも参上して褒美をもらうなどしています。

 

 仕事柄、草拙は、幾度となく長崎の星空を見上げたに違いありません。この時期だったら、オリオン座も眺めたことでしょう。もちろん、江戸時代ですから、「オリオン座」ではなく、和名の「鼓星(つつみほし)」として見ていたかも。星々をつなぐと和楽器の鼓(つつみ)に似ていることから来た名称です。今夜も晴れたら、南の空に見える「鼓星」。江戸時代の人も同じ星を見上げたかもと思うと、不思議な感じがします。

ブログでの紹介文が素敵。長崎の伝統あるちゃんぽんやさんのブログでした。

 

草拙さんは本草学(薬草、動物、鉱物に至る博物学)の祖なんだって。何週間か前に突然「貝原益軒!!」って思って図書館で本借りて読んでたんだけど、彼は日本の本草者だったな!

 

伝説の寺「神宮寺」との関係は?

西山神社の裏手にある金比羅山を中心に平安時代ごろにスーパー勢力を誇っていた神宮寺。ここ西山地区も寺領の一部だったらしいけど、キリシタンからの焼き討ちやらなんやらで時代の波にのまれ消えてしまった謎に包まれたお寺。

 

古い古い伝承によると、日本に仏教が入ってきたばかりの聖徳太子の時代、百済王朝の王子様が海を渡ってやってきてこの金比羅山の山頂で北辰星を祀った、とある。

この山に神宮寺が建てられたのが819年。平安時代初期。こちらの年表によると諏訪神社も寺領の範囲内みたいだ。

 

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さっきの由緒書きに諏訪社吟味役の人(ナニモンかわからんけど)が出てきたんだから、やっぱり諏訪神社にも神宮寺の意志は引き継がれてるんじゃないだろうか!!

 

それと、長崎の領主となった長崎氏もここの神宮寺を大切にしていたんだとか。

看板には奉行所のお役人さんも信仰していたとあるし…長崎の市章が星なのも関係あるかな?!

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ただ、1580年代あたりでお寺はキリシタンからの焼き討ちやらなんやらでズタボロになっていたみたいだから、星信仰は民間信仰として細々と残っていたのかな。草拙さんが星信仰にハマった(?)1660年代は、たぶんまだ神宮寺の妙見信仰の神様の名前が残っていた。

 

1705年に金比羅神社ができて信仰対象である神様の名前が金比羅に変更されるんだけど、まだ星信仰が忘れられていないであろう1717年から2年かけて西山妙見社を建てて星信仰のカタチがここに残ったわけだ。

 

神様の改名

明治になって神仏混淆禁止令が出て、ここも神社に名前を変えた。信仰対象は神格化された星から、造化三神と呼ばれる神道の神様三柱に受け継がれた。

 

造化三神(万物を創造した根源の神様たち)

アメノミナカヌシ

タカミムスビノカミ

カミムスビノカミ

 

どっかで見たことあるな〜って思ったら、ここで淵神社の伏線を回収!!!

三柱セットで略記に書かれていたのはつまり、妙見信仰の「星」を神道に当てはめた神様がこの三柱になったってこと。

【航海日誌】海の女神たち - STAR SHIP☆星読み航海図

 

繋がってきたよーー

まだまだ出てくるヨーーー

 

つづく