「めつけ」
演じるときに、視点を定めるポイント。目印とする方向。
うまくできなくてもいい。まずは、「めつけ」を定めてそこから目を離すな。一度目を離せば見失ってしまう、自分だけの目印。自分にしか見えない目印。
実際にはそこには何もない。
何もない場所に基点を置くムズカシサ。
その「めつけ」に向かって身体を動かす。
これは先日、息子が舞のお稽古で師匠に言われていたことなんだけど、占星術のMCって、こういうことなんじゃないか!!!とバチンと灯りを得た。
他人には見えないし、今そのには何も具体的なモノはないかもしれない。でもそこに自分だけの目印、自分にだけ見える目標地点をリアルに思い描くポイントがあるのだ。
MCは「ライフワーク」「社会的な肩書」「天職」「使命」と訳される。仕事運を見るときに必ず見るポイントなんだけど、それは誰かに与えてもらう役割じゃないってのがミソ。
そういう意味での「仕事」はMCじゃなくて6ハウスだからね。
「使命」ってのは、自分で決める命の使い道のこと。
MCは土星のエネルギーが充満する部屋。土星は「有限の時間」を意識する。命の時間は有限だ。だから、要らないものを削る。省く。削ぎ落す。
土星が「試練」や「困難」「制限」と言われ怖がられるのは、この性質のせい。
これは 有限の時間=命 の 使い道(=つまり使命)を意識するための土星先生からの、愛。
そういう意味で見れば、天職につくことや使命を果たすことが「得意なことを活かして活躍する」とは限らないってのが分かる。(そういう人も中にはいるけど)
土星の手前にあるのは、拡大と発展のラッキースター、木星。9ハウスに関すること、夢や希望、期待を遠くまで大きく大きく膨らませる体験が、先にある。
もうひとつ前は、火星。押し出す力、行動を起こして自分を守る力。
その守るべき「自分らしさ」ってやつは、火星のひとつ前の太陽が担う。太陽の意識を育てる適齢期は25~35才。
太陽以降、自分の外に目を向けるわけだけど、そこで目印になるのがMCである「めつけ」。
そこに向かう道中はぶれるかもしれないし、ぎこちないかもしれない。それでも、目を離さずにそこに「めつけ」を持っておくこと。
MCを「天職」や「社会的な肩書」というと、職種や業種、職業名を挙げたくなるけど、そういうわけでもない。ようは命の使い道だ。もしかしたら、仕事そのものはあんまり関係ないかもしれない。
あと、「自分にしか見えないリアルなポイント」ってのも私がイメージしていたMCを上手く言い表している。
私はその場面のキーワードをホロスコープから拾い上げることはできるけど、その人の「めつけ」はその人にしか描けないもので。
結局のところリーディングは共同作業なんだな、と。