僕たちに立てられる有効な問いは
「どうして私たちはこんなに頭が悪いのか?」
という問いだけです
し、し、しびれるぅぅーーーーーっっ!!
本のそでに書かれてた本書の一文。しびれますッ。武道家、思想家、翻訳家、文学者、私の憧れ内田先生。いちいち私のハート鷲掴みしてくるおじさん。
内田先生の本が登場する過去記事(☆は別館ブログ)
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★だれでも触れられる見えない世界との「接点」 - STAR SHIP☆星読み航海図
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気さくでオープンな賢者、そんなイメージ。勝手に。
『困難な成熟』はメールの相談への返信をまとめて書籍化した本だから、なんというかとっつきやすい。ネタは小難しかったりするんだよ。「成熟」ってテーマが抽象的なんだから。でも例え話とかサラッと出てくる皮肉にユーモアがあって、ほんと読んでておもしろい。
責任をとることは、不可能です
もくじ
社会の中で生きるということ
働くということ
与えるということ
伝えるということ
この国で生きるということ
いちばん最初は「責任」のハナシから始まるんだけど、ちょうどこの時書いてたブログ記事が「責任」のハナシだったのね。
内田先生はう◎このハナシなんてこれっぽっちもしてませんよ。
「だれのせいだ」「責任をとれ」っていう定型文が、何を目的に発せられてるんかいなって視点は一緒だったの。それは「責任なんてとれっこない」って前提で、お前を許さんぞっていう宣言だってのが本書のハナシ。う~~ん、なるほど。
あぁ・・・こんなふうにスマートに表現したいもんだ・・・ウ◎コ連呼する主婦ってなんなん。
さてこの「責任」からひもを手繰り寄せるように流れる本書。読みながら、気分は気さくな賢者の明るい書斎にお邪魔して、その時間だけ生徒になってふんふんと話を聞いているような。
続くは「正義」「ルール」そして「ゆるす」ということ。それが第一章の『社会の中で生きるということ』。
正義とルールと赦(ゆる)しのハナシ
そういえば10年前にベストセラーになった、正義の本。
これもね、「正義」とはなにか?と問う本だったと思うのだよ。問われるということは、答えを必要とされているということ。人類共通の「これが正義だ」という答え(定義)が定まっていないってこと。
内容(「BOOK」データベースより)
「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」正解のない究極の難問に挑み続ける、ハーバード大学の超人気哲学講義“JUSTICE”。経済危機から大災害にいたるまで、現代を覆う苦難の根底には、つねに「正義」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。
紹介文にある「正義」の問題、別館ブログでおもしろいニュース(研究結果)をピックアップした記事があるよ。これは他の記事と違って短いから!安心してリンク開いて寄り道してきて!!(笑)
「正義」ってのは確固たる共通の真実・真理に則ってるわけじゃあ、ない。社会のルール、価値観の上にある。
ルール、ってのは
(1)常識(社会の都合に合わせて変えられるもの)
と
(2)真実(時代や場所を問わず変えられない普遍的・不変の事実)
の二つに分けられる。明らかなようで、実は混合されやすいこのふたつ。
世の中の「おいおい」ってのは、たいてい(1)常識的ルール(方便)に固執して(2)を忘れてしまって起こる。本末転倒、ってやつ。目的と手段がひっくりかえっちゃってるってこと。会社組織、政治、教育、子育て、友人関係・・・スケールの大小問わず、ほんとよく起っちゃうの・・・
会議のための会議、とか(笑)
PTA活動とか(笑)
さて、正義のハナシ。
『困難な成熟』では「責任」なんて本当は誰にもとることはできない」という前提を踏まえたうえで、でも、だからこそ「裁き(正義)」が必要になるんだよ、ってふうにハナシが展開する。
ろくなことにならない「正義」の裁き
正義の起源は「共感」と「愛」にある。
生身の人間の苦しみを目の当たりにしたときの、「これはあんまりだ」という想い、共感が正義を駆動する。ひとつ気を付けないといけないのは、見たこともない知らない人の苦しみのイメージに共感して、会ったことのない知らない人に罰を与えようとするのは、やめておいたほうがいい。ろくなことにならない。
このろくなことにならない「正義」、最近だったら自粛警察とか、極端な陰謀論とかかなぁ。。。インターネットのおかげで、こういう、ろくなことにならない「正義」が増えてるんじゃないだろうか。
共感や愛、というと占星術では「水」エレメント。
Animal Totem Tarotでは鶴のJUSTICE(正義)。波しぶきが見えるかい!「正義」は激しい水の勢いに流されちゃ、いけないんだぜ。主体は翼を持つ(風)側なんだ。
正義はルールの上にある
社会的な取り決め(=ルール)には二種類ある、ってのは先に書いたとおり。
- 本来の目的、絶対に変わらないもの(真実)
- それを達成するために都合に合わせて作られた手段(方便)
これがこんがらがっちゃって、本来の目的にそぐわなくなった「方便」にこだわってしがみついちゃったり、逆にそこは変えちゃダメでしょうってところを切り離しちゃったりする。
さて唐突に占星術ネタをぶち込みますと・・・
社会制度の見直し時期、木星と土星の会合(グレートコンジャンクション)が去年の暮れにございました。それが今回は価値観の切り替えの時期(地→風)でもあり、おまけに徹底的な破壊と再生を司る冥王星が山羊座(社会制度、システムを表すサイン)でスイッチオンになり・・・
そう、まさに「ルール」の見直しの時期。
今ダイジなのは、ルールを「真実」と「方便」どっちについて話してるのかってのをちゃーんと把握しておこうね、ってこと。
水瓶座は非常識
お断りをいれておくと、水瓶座の人は・・・って意味じゃないからね。占星術で「水瓶座」というサインの表す性質のこと。
「常識」を表すサインは山羊座にあたる。山羊座ってのは、社会のルールや取り決めのこと。ルールには2種類(真実と方便)ある、のハナシに照らし合わせると、山羊座のルールは「方便」のほう。
水瓶座は山羊座に続く11番目のサイン。山羊座の現行ルールをぶち壊した先にある未来のサイン。支配星は天王星、キレッキレの皮むき器。
つまり、水瓶座は非常識。 だって、常識は山羊座の側にある。地域限定、期間限定のルールが、社会の常識なんだから。
これね、『困難な成熟』の中で「非常識な人間に共通する特徴」で書かれているのが、まんま水瓶座の説明だった。(笑)
非常識な人間に共通する特徴は「理屈をこねる」ということです。
「常識だろ、そんなの」という人間が「どうして常識なんだよ。根拠を示せよ」と言われると、つい絶句してしまうのに対して、非常識な人間はその非常識なふるまいの正しさについてあれこれと「それらしい」根拠を探してきます。
そう、風のサインの得意技、理屈をこねる。
だから、非常識な人は非常に頑固です。
そして固定宮はガンコなのだ。
非常識な人の語彙には「常識」も「非常識」もどちらも存在しません。
存在するのは「永遠の真理」と「永遠の誤謬」の二つだけです。そして、ご本人は「永遠の真理」の代理人でいるつもりですから、これはたいへんです。
非常識な人は絶対に謝りません。
謝る場合でも、全身から「これはしかたなく謝ったふりをしているだけだかんな。オレは全然悪いと思ってなんかいないかんな」というメッセージを間断なく発信しています。
あ・・・水瓶座の人について言ってるわけじゃないよ。水瓶座の性質ですからね。いや、でも水瓶座の性質がニンゲンを通して未熟に出たり暴走するとこうなるんだろうな・・・(笑)
占星術のラジオで↓水瓶座のダークサイドについて話してたのも思い出して、ここらへんのハナシ、ひじょーにおもしろかったです。
今は社会レベルで水瓶座サインがテーマに上がっているわけだから、みんな他人事じゃないってこと。「永遠の真理」の代理人になって、バーチャルな世界の正義感で人を裁こうとすると、それこそ水瓶座の負の側面、粛清の嵐、ホロコースト、選民思想の世の中に突き進んじゃうわけで。
ローカルルールを全否定した人間味のない全体主義(グローバリズム)、ギロチン祭りは、なんとしても避けたい。私は。
水瓶座に対応するカードは「STAR」
水瓶座はJUSTICEではなく、ひとまわり先にあるSTARなのだよ。JUSTICEは天秤座。天秤座は7ハウス、目の前にいる人を見ているサイン。私と、あなた。その関係性のバランスを測る天秤座が、「裁き」の剣と天秤を持っている。
STARは普遍性。永続性。
そう、永遠の真理は星のスケール。
時代が変わっても、永遠に変わらないもの。そこに希望を見出す。時間にとらわれない視座を持つ。それが水瓶座のSTAR。頑固で非常識なヤツとしてではなく、過去も未来も大きく捉えられる器のデカイ水瓶座でありたい。
ちなみに天秤座(JUSTICE)と水瓶座(STAR)は120度の結びつき。これはスムーズな繋がり、抵抗なくエネルギーを流し合う角度。サインの成熟度がそのまま反映されるってこと。
器の大きな水瓶座の視座で以て、正義の裁きで未来を切り開いていきたい。
呼びかけに応えるのが、成熟したオトナ
さて『困難な成熟』はタイトルの通り、「成熟」がテーマになってる。成熟ってのは、数値化できないもんだから、後になって振り返ってはじめて気付くもの。ニンゲンの器が大きくなるってのは、大きくなってみないとなってるかどうかわからない。
ある日気がついたら、前より少し大人になっていた。
そういう経験を積み重ねて、薄皮を一枚ずつ剥いでいくように人は成熟していく。ロードマップもないし、ガイドラインもないし、マニュアルもない。
これはもう、とっても太陽のハナシなの!!!!
これがまた面白くって、どんどん書き終わらなくなっちゃうから、このへんで一区切りにして続きはまた今度。
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