一つの決断の背後には本人にすら忘れ去られていた様々な動機が眠っているものなのかもしれぬ。
起きているとき(意識があるとき)は眠っていて、眠っているとき(無意識)は起きているもの。
ちょうど、Disney+で話題のドラマ『Moon 🌙 Night』のシーズン1が終わって。ヒーローもんなんだけど、最近のヒーローは「これが正義!!」って単純な構造じゃないんだね。
エジプト神話の神々に、アラビアンなテーマソングもたまらん。
「ん?こっちが現実?いや、あっちが現実?どっちも現実???」って混乱すること請け合い。
世の中は 夢かうつつか うつつとも
夢とも知らず ありてなければ
そう謡いたくなっちゃうハナシ。あるいは、胡蝶の夢。
荘周は蝶になってひらひら飛び回る夢を見た。
目が覚めて、あぁ自分は荘周だった、と我にかえった。
いや待てよ、人間の荘周が夢の中で蝶になったのか?
蝶が人間の荘周であるという夢を見ているのか?
あるいは、鯉の夢?
『ムーンナイト』シーズン1、意識しているときは存在しない自分、無意識のときに活動している自分、それが統合されるプロセスが見ものですぞ。
一つの決断の背後には本人にすら忘れ去られていた様々な動機が眠っているものなのかもしれぬ。
そこには隠しておきたい(見たくない、忘れたい、意識したくない)何かがあって。切って捨てた自分がいて。
「本当の自分」探しが危ういのは、気に食わない自分を切り殺して、自分らしさを純化することが「本当の自分」になることだと勘違いする人がいること。
普段は思い出さないような過去をそのままにしておくと、あるときその思い出が自分に押し寄せて自分の人生を駄目にすることがあるそうです。
私たちは、いまを生きるために過去の自分をどんどん切り捨てています。切って、捨てて、殺した自分がいる。
それは、フロイトが精神の問題の奥に発見した「無意識」の領域ですな。
単純に、捨てるな!ってことでもないんだけど。
自分と、自分以外の誰か。その時その瞬間の時、場所、いろんなものや出来事の配置。その何本もの絡み合った糸が、糸くずになって、毛玉になって、現実になってる。
これが自分だ!と思っていたことだって、見方によっちゃ糸くずの集まりでしかないわけ。でも、誇り高き毛玉さ。この糸は好きだけど、これはイヤ、って仕分けすることもできるけど・・・
選り分けて捨てた糸くずこそが、自分らしさをつくってくれていたりする。切って捨てた自分が、自分の影が、自分の陰影(立体感)を形作る。絵を描くと分かりやすいけど、影を入れると絵にグンと奥行きが出るでしょ。
ワレワレは胎児の時、指と指の間に水かきみたいに皮膚があった。それが切り捨てられて、「指のカタチ」ができた。それが「ある」ままだったら、いまの指のカタチは「なかった」。
もひとつ他の例もあげるなら、きっとこれは若い子知らんだろうけど、むかーし夏祭りとか縁日の屋台であった出し物のさ、「型抜き」!お菓子の板(だったっけ?)にさ、針とか爪楊枝でぷつぷつ穴をあけて、絵をくりぬくんだ。(ムズカシイんだなーこれが!)
型抜きの板にはあらかじめ図があるわけだけど、私たちの人生はこんなにハッキリ「型」を指定されていないだろうね。結構自由にぷつぷつ針を刺していけると思うんだ。
そんで、抜き取った「穴」が、なにかしらの「カタチ」になるわけ。最初からカタチを意識して針を刺してないのがおもしろいところ。結果的に繋がって、穴になる。それが、「私らしさ」っていう形になる。
「私らしさ」のドーナツ理論ですな。
新月で狙い定めて、いやもしくは定めずに、ぷすっと指した針。針を奥まで押し込んで、押しきったら、後は引き抜く。満月から、次の一刺しの新月に向けて針を引き抜かねばならんっちゅうわけ。
今は打たぬ、というのもまた選択肢。
でも何もしないってのは、何もしないという「行動を選択した」っていう針を振り降ろしてるわけだからね。そのカタチはちゃんとのちのちに繋がるわけです。
別に新月だからって毎回毎回「何か新しいことを!」って言いたいわけじゃないよ。ただ、針が差し込まれて、また持ち上がって、ってリズムの中にいるんだなってことを意識しておくことはオススメする。
というか、それだけで十分じゃないかな。
私は新月だとか逆行だとかいちいち気にしてないニンゲンだけど(ネタとして取り扱うだけ)針のアップダウンの中に自分の身をおくことで、たいていのことは勝手にリズム調整されているような気がする。
ああ、そうね。そんなことも書いてたっけね昔!
今やってるプロジェクトが、その針のガタピシを感じようってココロミなんだわ( *´艸`)
針のアップダウンは生きとし生けるもの全てみんなに共通するリズムなんだけど、そこに何色の、どんな素材の糸をいれるか、どんな布地を選んでもってくるか、で出来てくる「作品」は違ってくるもんね。
糸も布地も、好きな時に好きなものに替えられる。
どうもずっと同じものを繰り返し使わんばいかん、と思ってる人が多いようだけど、そんなこたぁない。私はとっかえひっかえしているせいでなんのまとまりもない糸くずとハギレのオンパレードなのだよ。。。
これが私のコンプレックスでもあるんだけど、キルトっていう手芸だって世の中にはある。コラージュでもいい。結局仕上がりはコラージュだし、自分像なんてモンタージュなんだから。
それにしても、そうさ。
水星が浚渫※をしている。
※港湾・河川・運河などの底面を浚(さら)って土砂などを取り去る土木工事のこと
※海を行く船が安全に航行できるように施される治水工事
この物語でも「治水工事」が象徴的に登場していたっけ。
治水を司る女神として、大叔母が聞かせてくれたアイルランドのカリアッハ・ベーラ。老婆になり若い娘になり、季節で姿を変えるケルトっぽい雰囲気の女神。
水底に沈殿した土砂、川面からじゃ見えないやつだって、今ならトキの後押しで浚渫工事にとりかかれる。特に双子座から牡牛座まで戻ってきた水星なんだから、手ごたえを感じつつ確実に。
私は先日手に入ったLunar Leaves TeaのMidday Muse(白昼のミューズ)ブレンドティーで♡♡♡スローな時間を楽しもうと思うよ( *´艸`)
めちゃんこカワイイ。。。。