子どものホロスコープを見ていて面白いな、と思ったことをば。
0~7歳のうちは「月」のエネルギーをメインに受け取っている、というのが西洋占星術の考え方です。写し取る、マネする、欲求や感情を動かすエネルギーですね。
月は心の闇の部分も象徴します。光が当たらない部分、地面の下の部分なので根っこです。地面の上にある目に見える部分は意識できる部分なので、この根っこは無意識や潜在意識ということになります。
子育て本でも、この時期は「心の根っこを育てる時期」なんて表現がよく使われてますよね!見えない部分の発達、という点では脳の成長っぷりからも納得です。
根っこを育てねば!!とあれこれやってあげたくなるのが親心・・・なんですが、闇=見えないものを相手に働きかけるのって、難しい。
脳の発達と子育てに関して興味ある人にオススメのこの本によると
人間には、外からの刺激を受けずに、ひとりで静かに過ごす時間にしか起こらない、内的な発達があり
「何をしてあげるか」よりも重要なのは「どうあるべきか」。do(行為)よりbe(在り方)、ってことが何度も強調されてます。これは「月」を育むという視点がとってもフィットする考え方です。
母親は子どもの持つ「月」のエネルギーが全力で向けられる対象です。写し取られるのは、その在り方、態度。
言葉になるのは浅い表面部分。親は自分の人格以上のことは口先では伝えられない。口先で言える程度のことは黙っていても伝えてしまっている。
これは、下のエッセイ本で筆者山田太一氏が述べていたこと。
子ども時代の(そして人間社会の)光の当たらない部分の大切さ。きれいごとじゃない世界、矛盾だらけで一貫性も合理性もない世界を受け入れること。「月」を育むってそういうことなのかもしれません。
もうひとつ、「月」時代の子どもの世界を表す文章を紹介させてください。これ、すごく好き。
皆さんが失敗したり、敗北したり、悲嘆にくれたり、暗がりに包まれたりした時、暗闇こそあなたの国、あなたが生活し、攻撃したり勝利を収めるべき戦争のないところ、しかし未来が存在するところなのだということを思い出してほしいのです。
私たちのルーツは暗闇の中にあります。大地が私たちの国なのです。どうして私たちは祝福を求めて、仰いだりしたのでしょう
周囲や足元を見るのではなく?
私たちの抱いている希望はそこに横たわっています。ぐるぐる旋回するスパイの目や兵器でいっぱいの空にではなく、私たちが見下ろしてきた地面の中にあるのです。
上からではなく下から。目をくらませる明かりの中ではなく栄養物を与えてくれる闇の中で、人間は人間の魂を育むのです。
- 作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,Ursula K. Le Guin,篠目清美
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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7~15歳は水星(=知性=言語能力)を発達させるわけですが、その前段階である月の年齢域が言語能力の土台を作る時期、という視点で見ても面白いです。
やっぱりここでも、心の闇、静かな時間を育てる大切さが出てきます。
ひとりでいることは、本を読むためにも、本を読むのに必要な力を育てるためにも、本を読んだあと、その内容を消化するためにも、欠かせない大切なこと
この時期の母親は、「与える・教える・導く」という子育てに抱く一般的なイメージから「見守る・信じる・手本になる」という視点に発想の転換が必要になりますね!!
人間を成長させる土台は闇、孤独な時間、感情を素直に表せる相手の存在。それが「月」の象徴する母親であって、自分の安心感や潜在的な欲求を表すものなんです。
ホロスコープ、奥が深い!