異国の彼方

学生時代、中東の文化を学ぶ機会があった。機会があった・・・レベルの学習意欲の低い学生だったことは、正直に付け加えておく。知識は身につかなかったけど、時間も距離も遠い「異国」を伝える書物にどきどきしたのは覚えてる。

 

persian mosaic

特に印象に残っているのは、古代信仰

 

イスラム教やキリスト教がメジャー宗教になる前は、中東にも素朴なアニミズム的信仰があった。古代ペルシャの「マギ」と呼ばれる人たちは、信仰のリーダー、神官であり占星術師であり薬草博士だった。「マギ」が魔法(Magic)の語源になってるのは、彼らの智恵と能力が人々にとって「魔法」や「魔術」だったわけだ。

 

イスラム以前の中東、古代ペルシャ帝国が支持していたのはゾロアスター教だった。火を尊び神聖視する教えってことで、拝火教ともいわれる。日本のお盆行事、お寺の護摩焚きもゾロアスター教の影響を受けているっぽいんだから、はるかはるか昔から人間を媒介にして精神的交流があったという壮大なロマン!ヒストリー!!

 

FIRE

 

古代日本でインパクトがあったタイミングは、聖徳太子の頃だろうと予測されている。飛鳥時代ペルシャ人の官人もいたって文献が残ってるくらい、国際的な時代だったらしい。

 

聖徳太子と言えばまた伝説の多いミステリアスな歴史人物。

なんとも壮大のようで、実は呼吸ほどに身近なモノ - STAR SHIP☆星読み航海図

↑星信仰ともリンクしてきて、まぁ~~おもしろいこと。

 

七支刀」ってキーワードがどっかに出てきた気がするんだけど、見つからない!

otakei.otakuma.net

と思って探してたらこんなの見つけた。うわーーー!!見たい!!!

この七又の鉄剣、卑弥呼とか神功皇后の伝説も絡んでくるらしい・・・

 

梅ノ木屋敷のキリン

梅ノ木屋敷のキリン

 

あれ?この本はどこから出てきたんだっけ?^^; 

七支刀を調べながらブログにメモ書きしてるんだけど、どっから引っぱってきたのか忘れてしまった。とりあえず、面白そうだから読んでみようかな!

 

 

starship.hateblo.jp

 

 神功皇后卑弥呼については「星信仰ミステリーツアー」と称したひとり散歩(笑)を記録していた。そうそう、宗像三女神!初詣の宇佐神宮でおもしろいミラクルもあったっけ。我が家の大吉ボーイがまたやらかしましたよ(笑)

 

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さてさて古代ペルシャに戻りましょう!

ゾロアスター教。経典があって、司祭がいて、そういう「宗教」というシステムが確立した時代だったのね。ゾロアスター教のメインとなる世界観は光vs闇。その光の象徴が、。世界はこの二大勢力の争いの過程にある、って捉え方。

 

ゾロアスター教は国の宗教(古代日本の仏教的な)として保護され拡大したわけなんだけど、もちろんその他信仰や宗教も色々あったみたいで。

 

もっともっと大昔から信仰されてきた素朴な自然信仰も残っていたし、それが何かしらのルールやシステム、ストーリーを作って「〇△教」みたいなカタチに進化したものも多かったと思う。

 

その中で私がすごくオモシロイ!!と食いついたのはミトラ信仰。ミスラ、とかミトラスとも言われる。学生だった当時は色々文献あさったりしてた気がするんだけど、今はほんわかした印象しか残ってない・・・。

 

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 星信仰ミステリーをきっかけにちょっと思い出して胸アツになったんだっけ。夜空のシリウスだったり、海の女神だったり、火=太陽の神だったり、川の神だったり、世界三大宗教のルーツだとか、密教占星術のルーツだとか・・・・

 

ほんと、情報がごった煮状態でどう捉えればいいのかわかんないんだけど。きっと全部が全部ひとつの信仰グループじゃなかったのよね。それぞれに、シンボルとして大切にしたいモノはちがっていて(ニンゲンだもの)、それぞれにストーリー(神話や伝説)を編み出していったんだろうな。

 

そういう「違い」を眺めるのって、オモシロイ。

根っこはみんな一緒なのにね!!

 

 

さて宗教組織としてのミトラ教は、信者は7つのポジションに分けられていたらしい。これは今Wikiって初めて知った。それぞれのポジションは階級でもあり、世界観の象徴でもある。

 

ミトラス教徒の7位階はそれぞれ太陽系の星を守護神とした。またシンボリックな象徴物があり、たとえばオスティアの「フェリキッシムスのミトラス神殿」の床面のモザイクには7位階の象徴物が描かれている[19]。以下に各位階について説明する。

 

父(パテル, pater)
守護神は土星(サートゥルヌス)。シンボルは錫杖、指輪。7位階のうち最上位に位置し、下位の信者たちの指導者的立場にある。父は神官職になることもできた。碑文では「父」位であり神官職アンティステスである者がいた。また「父」の中で最も上位にあたる「父の父」と呼ばれる者もいた[20]。
太陽の使者(ヘリオドロモス, heliodromus)
守護神は太陽(ソール)。シンボルは 光背、ムチ。原義は「太陽の(helio)・走路(dromus)」。
ペルシア人(ペルセス, perses)
守護神は水星(メルクリウス)。シンボルは月、鋏、鎌。この位階名はミトラス教に存在するオリエント要素の1つである。
獅子(レオ, leo)
守護神は木星(ユーピテル)。シンボルは燃料用受け皿、シストルム(ガラガラ)、雷。獅子の仮面をつける。「獅子」位の入信のさいには「兵士」位の者によってハチミツが捧げられた。ポルピュリウスの『妖精たちの洞窟』(15)によると「兵士」の持つクラテールの中で少量のハチミツが水に溶かれ、それを「獅子」位の者の手に注ぐことで浄めとした。このため「獅子」位の者はメリクリスス(ハチミツを注がれた者)という戒名を持つ者がいたという[21]。
兵士(ミリス, miles)
守護神は火星(マールス)。シンボルは背嚢、槍、兜。「兵士」位は7位階中、下位の召使い役を演じる3位階の最上位にあたり、上位の4位階に奉仕した。また「獅子」位の入信の際には浄めの儀式を行った。この位階名はキュモンによってミトラス教の軍事的性格を示すものとされたが、実際は豊饒女神の信仰に由来し、豊饒女神の戦神的側面を象徴するものであるらしい[22]。
花嫁(ニュンフス, nymphus)
守護神は金星(ウェヌス)。シンボルは松明、輝く冠、ランプ。シリアのドゥラ・エウロポスのミトラス教資料では12人の「花嫁」位の隠者が知られている[23]。ローマのサンタ・プリスカ教会(de:Santa Prisca)地下のミトラス神殿から発見された壁画には、花嫁用のヴェールをまとった「花嫁」位の信者がランプを持つ姿で描かれており、そこには「金星の守護を受ける花嫁たちに栄えあれ」という碑文が付されている。また4世紀前半のユリウス・フィルミクス・マテルヌス(英語版)の『異端誤謬論』(19・1)では「花嫁」位の者が行う儀式の典礼歌について述べられている[24]。
大烏(コラクス, corax)
守護神は月(ルーナ)。シンボルは酒杯。

 

 ↓ Wikiより。7つのシンボルを表す7枚のタイル絵が発掘されたらしい。

5th panel Mitreo di Felicissimus Ostia Antica 2006-09-08.jpg
Marie-Lan Nguyen (User:Jastrow) - 投稿者自身による作品, CC 表示 2.5, リンクによる

 

最後の大ガラス、日本神話に登場するヤタガラスと同じようなストーリーがミトラ教にもあるのがびっくり。

 

ミトラ教のもともとの信仰対象がなんだったにしても、ニンゲン「わかりたい」生き物なのでどうしても「カタチ」を与えてしまう。人格のあるキャラクター像にしたり、図にしたり、言葉にしたり。

 

そうして生まれた「神」のひとつが、太陽神ミトラ。そのミトラ神を祀る場所は、泉の湧き出る洞窟だった。とりわけ太陽が生まれ変わる冬至の日は特別視されていて、今もイラン地方は冬至の夜(ヤルダーナイト)を大切にしている。

 

なんで太陽の神なのに真っ暗な洞窟の中で?なんで水や川の神に変化していくのか?は・・・忘れちゃった。なんでだっけ?まだ「定説」として出てないのかも。

 

 

確かなのは、ニンゲンの神聖さを求めるニンゲンらしさが、そういった神聖な場所を破壊してしまった(現在進行形で)ってこと。違うシンボルを大切にするグループ同士が、神聖さを大切にしたいがために、破壊し合った。政治的理由も含む。

 

根っこは同じなのにね。不思議ね。