※別館ブログでポストした記事だけど、カオス(狂い)っぷりがこっちのブログ向きか?と思ったからこっちでも同じ内容でポスッ
先週、図書館でぶらぶらしてるときに出会って借りてきた本たち!
お目当ては違う本だったけど、気が変わって3冊入手。
そういうぶらぶらエンカウンターがあるのが、物理的な図書館のいいところだよね。全く違う著者、ジャンル、雰囲気の本に出会える。(あなたにオススメのアルゴリズムに沿った選書じゃなくって)
ベロニカは全てを手にしていた。若さと美しさ、素敵なボーイフレンドたち、堅実な仕事、そして愛情あふれる家族。でも彼女は幸せではなかった。何かが欠けていた。ある朝、ベロニカは死ぬことに決め、睡眠薬を大量に飲んだ。だが目覚めると、そこは精神病院の中だった。自殺未遂の後遺症で残り数日となった人生を、狂人たちと過ごすことになってしまったベロニカ。
「(中略)狂気とはね、自分の考えを伝える力がないことよ。まるで外国にいて、周りで起こっていることは全て見えるし、理解もできるのに、みんなが話してる言葉が分からないから、知りたいことを説明することもできず、助けを乞うこともできないようなものなのよ」「わたしたちはみんなそう感じてるわ」「だからわたしたちはみんな、なんらかのかたちで、狂ってるのよ」
そのために自分が夢見てきたことを全て諦めることになったとしても。それは、世の中に存在する困難や堕落から、彼女を庇おうとするような愛だった。いつか、それらのことに直面し、その時には全く身を守れなくなるだろうということを無視して。
彼女はやっと否定的な感情をおもてに出すことができた。もう何年も自分の心の中に抑えつけてきた感情を。実際に感じてみて、彼女はもうそれを必要としなくなった。もう捨ててもよくなった。
問題を避ける一番の方法は、責任を分け合うことだ
隣の人の邪魔になるとか考えるのはやめなさい。もし気に入らなければ、彼らは文句を言えるんだもの。それでもし文句を言う勇気がなければ、それはその人達の問題なのよ。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもがひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
―『自分の感受性ぐらい』茨木のり子
澁澤龍彦エッセイに出てきたあの本じゃあないか!!
たまらん世界観だな。
こういう、コレクション。
たまらん。
ホルヘの古今東西、夢に関する物語を集めた夢幻図書館♡
『ベロニカ』のあとがきでガルシア・マルケスの『百年の孤独』って名前がちらと出てきて、おおおって思ったよ。私もそれ思い浮かんでたの。なんでだっけ??
古川日出男のこの短編集?
なにがどう繋がって思い出したのか思い出せないんだけども。とにかくそういうカオスな連結も楽しい。アタマの中で絡まった糸くずが、網になってお魚たくさんつかまえるよ。
そんでもって、同時進行で読むつもりの短編集。
『書店主フィクリーのものがたり (早川書房)』のなかで出てきた本の中のひとつ。
『ジム・キャリーの飛び蛙』もそうだよ!
古典的名作がずらり、なんだろうけど、Amazonで見つけられたのは飛び蛙だけだったし、図書館にはそもそも純文学?がそんなにない。たまたま棚ぶらしてたときに『愛について語るとき』のタイトルが目に飛び込んできて「あ、あるやん!!」って思って借りることにした。
ちなみにこのタイトルの物語は最後の方に収録されている模様。読むのが楽しみ!!
↓本、特に小説が好きな人は何粒も楽しめる物語。
↓フィクリーの感想ブログ
ベロニカを読んで、この記事を書きながら過去記事を掘り起こして・・・ガルシア・マルケス、ホルヘ、澁澤龍彦がどういう順序で繋がってたのかは不明のままだったけど、「あ、これちょうどいい」ってセリフを発見。
「 ヒトはね、一度きりしか生きられないんだよ」
「否!一度きりなのは死ぬこと。僕らは毎日生きてるじゃないか!」
コレに尽きる。