3つめは、未完のまま放置された理由!神社の由緒書きによると
工事半ばなる時阿賀の神一行の反乱を受け
夜明けまでに工事を終えることが出来なかった、とある。
阿賀の神はなにもの?
神代の昔、この時代はまだ日本という国が統一されていなかったわけだから
あちこちに「豪族」的なリーダーがいて、「クニ」的な地域に分かれていた。
たぶんオオアナムチ率いる出雲チームは勢力範囲の大きい、
チカラのあるクニだった。で、今の兵庫県のこの辺りも
出雲の国土とすべく、整備(制圧?)しにやってきた。
たぶん、阿賀の神一行はもともとこの地域にいた部族じゃないかな?
負けて制圧されたから賊神扱いを受けているけど、これは見る立場の問題かな。
王朝に歯向かった部族が「土蜘蛛」とか「鬼」と名付けられて歴史や神話に
残っているように。
長崎にもあるよ、たくさん。
で、阿賀の神で調べてみると、石の宝殿から車で30分ほどのところに
英賀(あが)神社というのがあった。たぶん、阿賀チームの本拠地か
リーダーのお墓が神社になって残ってるんじゃないかな?
宝殿の北側に「神爪」という地域がある。
その地名の由来が、オオアナムチが賊神(阿賀の神)鎮圧のために数多の神々を集めた場所
からきているらしい。ここまで残っていると、やっぱり神秘的な物語というより
人間臭い歴史の物語なんだろうなーって感じる。
英賀神社の由緒を見て気付いたこと
結構大きな神社!きっとこの地を治める力あるリーダーだったんだろうな。
主祭神は英賀彦(あがひこ)神と英賀姫(あがひめ)神。夫婦かな?
伊和大神の子、阿賀比古・阿賀比売二柱、此処に在しき、故れ神の名によりて里の名と為す
で、ここの地名が英賀となったとな。
気になったのが、わざわざ書かれた親御さんの名前、伊和大神?
そして見つけた、伊和神社。
ここもまた大きい神社で、土着の豪族の伊和氏を祀ったものらしい。
もしそうなら、宮殿建造の夜に反乱を起こした阿賀の神一行ってのは
息子夫婦(それか婿夫婦)ってことになる。
身内割れしたのかな?
伊和大神は土着の豪族かオオアナムチか
今では伊和大神がオオアナムチと同一視されているけど
もしかしたら権力争いに勝ったオオアナムチが吸収してしまった可能性もある。
この地域を興した英雄神的な存在みたい。
阿賀の神の反乱を伝えに来た女神
由緒書きに出てくる、反乱を伝えた神さま天佐久売(アマノサクメ)。
出雲神話に出てくる神さまで、「あまのじゃく」の語源になってるらしい。
たぶん勘の鋭い女スパイ。
出雲から播磨まで一緒に遠征してたんだね。
工事で出た石屑の行方
略記にあるように、この石の建造物はトクベツなものだった。
工事で出た石屑もわざわざ遠い山まで運び出されている不思議。
運搬先の高御位(たかみくら)山はここら一帯でいちばん高い山で
播磨富士と呼ばれる霊山。
「オオアナムチとスクナヒコナが国造りのために降臨した場所」
という伝説がある。この地区を平定するために拠点とした場所なのかな。
略記では「猿が先導し、山頂に運んだ」と、ある。
この猿は道開きの神様、サルタヒコのことかなぁ?道案内してるし。
サルタヒコは高天原のアマテラス率いる天津神チームが「クニを譲れ~」と
出雲のオオアナムチ率いる国ツ神チームに迫る道のりを先導したことで有名。
サルタヒコ自身は国ツ神チームだったから、もともと日本にいた豪族だと思う。
高御座山・山岳信仰のご神体は隕石?
この山に建てられた高御座神宮の縁起を見てみると、面白い記述が。
人類が地球に誕生したとされる今からおおよそ650万年前、金星から飛来した隕石が空中で3つに分かれ 紀州の熊野、京都の鞍馬、そして播州の高御位に落ちたといわれています。 その隕石を金星から飛来 したので金神とし祀ったといわれています
おおおーーー、隕石かぁ!!宇宙だね!星だね!
熊野はいつか行かねば、と思っているトコロ。
私のタマシイのルーツがある・・・かもしれない場所。見つかるかな?
隕石ってけっこう落ちてきてるもんなんだろうか?
と思って調べてみると、こんなリストを発見。長崎も五島列島に!!
福岡、佐賀にもあるぞ!今度の星巡りツアーは隕石めぐりだー!!
石の宝殿まとめ
誰が?いつ?なんのために?どうやって?
謎だらけの巨石建造物、石の宝殿。古代史のロマン。調べてて超楽しかった。
古代祭祀がなにを目的としてどんなことをしていたのか、
今じゃ知る由もないんだけど・・・
古代祭祀場と思われる高御座山の磐座、そして隕石。
人為的に切り出された生石神社の石のモニュメント。
大地のパワーというか、迫力、その存在感を強く感じる「巨石=磐座」が
どうして星信仰に結びつくのか、ちょっと思いついたことがある。
天(宇宙とか星とか命の起源を感じさせるスケールの大きい存在)と人を
結びつけるために、地が必要なのかもしれない。
天、地、人の △サンカク
なるだけ重そうで、どっしりしたヤツ。
上に上にのぼっていく、広がっていく「気」のようなものに対して
重く固く、下にしっかりと繋がっている「石(イシ)」が必要。
それで、地に根を張り天に幹を伸ばす「巨樹」も天と人を結ぶ地の要素として
大切に扱われていたんじゃないだろーか。
遠い遠い、うんと遠いところにあるエネルギーや神秘的パワーを
人間の世界に手繰り寄せるために、対極にあるパワーを利用する。
実はものすごく単純な理屈なのかも。