『運の流れ見取り図』をベースにした、ホロスコープのチャネリングストーリーってのを思いついたので、実験的に息子の星物語を読んでみました。
はじまりの入江
旗が下ろされた。海は凪いでいる。
女は丘の上から、桟橋に係留された帆船をじっと見つめている。大きな歓声が風に乗って入江にこだまする。新しい旗が掲げられたのだ。女はその場にしゃがみこんで、大きく息を吐いた。
海風にもてあそばれるように大きく翻る旗。入江の向こうに広がる海原に目をやり、胸に手を当ててもう一度大きく息を吐いた。船団の歌声と、見送る人々の笑い声を追い風に、船の帆は張り切って大きく開いた。
海はきらきら輝いている。
立ち上がった女は、踊るように丘をかけおりた。
船はまたこの入江にかえってくる。きっと。
※アセンダント蟹座1度「船で船乗りが古い旗を降ろし、新しい旗を掲げる」
※2ハウス蟹座22度「若い女性が、ヨットを待っている」
清らかな山の小川
女はまだ帆船の帰りを待っている。きらきらとした期待は、今も消えてはいない。小川の水で顔を洗い、そのままの姿勢で水面を見つめる。村長の勧めに従って結婚していたら、とっくに子どもも大きくなっているだろう年頃になった。
村人はもう船の話をしなくなった。女は村の変わり者。水面に映る女の影は、村人の未来への期待と渇望をひとり背負っていた。それは非常に激しい感情であるはずなのに、小川はどこまでも静かで、清らかだった。
※11ハウス月(牡牛座1度)「清らかな山の小川」
※11ハウス天王星(牡牛座17度)「婚期を過ぎた未婚の高貴な女が2人、沈黙して座っている」
※火星180度「湖面を横切って輝く月」×月と180度
入り江にある街は交易で栄え、異国の者も多く住んでいた。
東洋の長い歴史を誇る国からやってきたという、洗濯屋の女将は働き者で明るい人だった。小川の水を汲みに来た女将は、女のそばにやってきて仕事を始めた。
女が黙っていても、女将はお構いなしにお喋りを続ける。その間も手は休めず、水を汲んだ桶が荷車にどんどんと積まれていく。
女将は入江の街にある洗濯屋まで、荷車を引いてゆるやかな丘の斜面を下って行った。この小川は、入江の街近くまで流れ込んでいるが、女将はわざわざ上流まで水を汲みに来ている。
生まれ故郷の風習や信仰による理由だ、と女将は言っていた。
でも女は、女将が自分を気にかけてくれていることに気付いていたし、それが嬉しかった。女将も、今も船を待ち続けている女の存在に強く励まされていた。
※4ハウスに木星
※金星(6ハウス)射手座22度「中国人の洗濯屋」×月と120度
村の抗争
女は小川の流れ込む入江の街ではなく、上流の山の村出身だった。上流の村と入江の街は、昔から何度も衝突を繰り返してきた。この小川が赤く染まるほどの争いも、珍しくはなかった。
このまま抗争が続けばどちらにとっても好ましい未来はないだろう、と、山の村長の元に、街から将軍が訪ねてきた。
話し合いは何日も続けて行われた。村の大人たちの心配をよそに、子どもたちは無邪気に遊びまわっている。メアリも、先月生まれたばかりの子羊を連れて他の子どもと遊んでいた。
※4ハウス乙女座10度「2つの頭が、自分たちの影の外とそのむこうを見る」
※木星(乙女座24度)「メリーさんと子羊」
話し合いの場はお互いの村の中間に位置する、小川のそばの原っぱだった。調停の成立を見届けるために、村人たちは原っぱに集まった。
メアリの父は集まる人々を前に、これまでの一族の歴史と、村人が大切にしている神聖な山の話をした。この山を守るために、勇敢な戦士たちは命をかけたのだ。
死者の魂は、神聖な山に還る。メアリはその言葉から始まる父の話を聞くのが大好きだった。そして聴衆を前に堂々とスピーチをする父が誇らしかった。
入り江の街から来た将軍は、山の村長の主張を聞き入れた。人々はこの日の出来事を喜び、街の将軍の寛大さを口々に言い合った。入江の街では戯曲がつくられ、その後何世代もの間語り継がれることとなった。
※6ハウス蠍座24度「一人の男の話を聴くために山から降りてきた群集」
※7ハウス山羊座1度「インディアンの酋長が、集まった部族から自らの力の承認を求める」
※8ハウス山羊座22度「敗北を優美に認める将軍」
※12ハウス牡牛座「馬にまたがり骸骨の締め具をつけたインディアン」
※3ハウス獅子座「表現の機会を待つ人間の魂」
男と女のそばでとぐろを巻く蛇
メアリが彼に会ったのは、真夏の昼下がりだった。彼は、山の村の青年とは顔つきも喋り方も違う。異国から来た貿易商人の息子だと言う。
数日前、異国の大船団が入港したことで入江の街は大騒ぎしていた。もともと貿易商人が寄港する賑やかな街だったが、今回持ち込まれた品がこれまでの物とは違っていたらしい。
大人たちは目の色を変えた。未来が変わる、新しい社会が築けるんだ、と街の人は興奮していた。
彼の自慢する異国の「未来の技術」がどういうものなのか、メアリは何度聞いてもよく理解できなかった。ただ、なんとなく不安な気持ちになった。彼に対してはとても好意的な気持ちがあったし、彼もメアリが好きだった。
※5ハウス天秤座14度「真昼の暑い時間帯に、男が昼寝をする」
※5ハウスに火星
※3ハウス獅子座「表現の機会を待つ人間の魂」
※11ハウス牡羊座14度「男と女のそばでとぐろを巻く蛇」
※木星「メリーさんと子羊」×火星と45度
入り江の街が「未来の技術」に色めき立ったあの頃から、山の村の民は、あまり村の外に出なくなった。知りたがりの異国の旅人が村を訪れることもあったが、客人として温かく迎え入れられることはなかった。
※水星(山羊座21度)「リレー競争」
※12ハウス牡牛座「馬にまたがり骸骨の締め具をつけたインディアン」
入り江の街は整備され、新しい国旗が掲げられた。海の向こうの帝国が、この街を丸ごと「買収」したらしい。街は今までにないほど活気づいていた。
協定を交わし、入江の街が帝国の一員となって最初の船団が組まれた。彼もその中にいる。
あれから何年も経った。
どういうわけか、帝国からの使者は途絶えた。貿易船も、次第に減っていった。メアリはそれでも、船の帰りを待っていた。
山の聖堂へとつらなる急な階段を上る巡礼者
昔はこの山も、村人たちに大切に守られてきた聖域だった。入り江の街にそそぎこむ清らかな小川に沿って上流を目指し、巡礼者は聖堂への入口までやってきた。
入口を守っていたはずの村長の家も、家主を失った今は朽ちるに任せるばかり。
舗装されていたはずの階段も崩れて、木の根や草が侵入者を阻むように脇道から伸び出してきている。巡礼者は足場を確かめながら一歩一歩進む。一歩踏み出すたびに、後ろに過去を置いてゆく。
巡礼の旅に出ることは、過去の全てを捨てることだった。同時に、それまで否定してきた全てのものを受け入れることだった。
※太陽(山羊座27度)「山の聖堂へとつらなる急な階段を上る巡礼者」8ハウス
To Be Continued...?
・・・と、ここまで書いて力尽きた。
※土星(射手座13度)「未亡人の過去が明るみに出される」 6ハウス
※太陽(8ハウス)と土星(6ハウス)45度
このあたりも、おもしろいストーリーに繋がりそうなキーワードなんだけど!もう、やーめぴ。
ちょっと、テレビに触れる時間が増えたせいか?エネルギー萎れ気味。遊んで回復しないと・・・5ハウスを盛り上げないと、だ・・・
あ、そうか。私の5ハウスは牡牛座だ。
確かな感触が欲しいんだわ。楽しむことに関しては。
JOYが不足してます、最近。
イベント組みたい・・・オンラインじゃないヤツ。