「辰」について、前の記事を書きながら見つけたオモシロイ星ネタ。
ちょっと今週は、体調不良ではないんだけども、やたら眠くて変な夢も見まくってぽんやりしておるもんで、ザクザクっと箇条書き程度のメモで。。。
↓これの続き
「辰」=天文(星のケンキュー)にとって重要な存在
天文学者、新城新蔵氏による『東洋天文学史大綱』なるものを発見。
「辰」には色んな意味があって、かなり守備範囲の広いコトバなんだけども、その由来を紐解いていくと「天文学の歩み」に沿っていそうだぞ、というハナシ。
天文学の歩みってのは、だいたいこんな流れ。
(一)まずは月のリズム(太陰暦)から
(二)四季、太陽のリズムを記す太陽暦(太陰太陽暦)を作るためのケンキューへ
(三)星の象徴や意味を社会の動きや人々の営みに関連付けた星占天文学が興り
(四)宇宙観、五星の運動についてケンキューする天文学になり
(五)近世は航海術として星を学ぶ天文学、星辰天文學になり
(六)現代の太陽物理学、天体物理学に至る
「辰」という字がどう使われているのか、その指しているものは何か、その変遷がこの天文学の変化も反映しててオモシロイのだ。
星は古くから大地のリズムを知る目安。
5月、夏の始まり(夏至)を告げていたのは真っ赤に輝く蠍座の1等星アンタレス。
殷の時代はアンタレス(呼び名は『大火』)を守護神としていた、とある。
そういえば古代中国は星信仰が背景にあったねぇ!!!🤩
その時代、「辰」というのはアンタレス、大火を指すコトバだった。
十二支が制定されたのはその殷の時代。5番目の干支に「辰(大火)」が配置されたのは、5月の星だから。
この論文の著者は新城新蔵シンゾウ。
ちなみに私が去年から「これは!!」と思って注目しているのも心臓。
生理学的な機能じゃなく、精神的な機能について。ハート、こころとして機能する心臓。
※ここについて学ぶのをサポートしてもらうために、去年からお世話になっているフラワーエッセンス
↑これについてはまた別記事で。。。!
のちに干支に動物を当てはめようってことになって、「辰」に割り振られたのが「龍」だったってのが、ご存知十二支の起源。
なんで「辰」が龍なのか?っていうと、ちょうどアンタレス(大火)を中心として見立てた星座が、龍だったんだよね。それが東の空を司る青龍になったのかな。
殷の時代にはすでに大火周辺の星の配置から龍をイメージしていたんだと思われるけども、これを「龍である」と名付けたのは周の時代になってからだろう、と新城氏は言う。
西洋ではサソリ、東洋では龍。
なんかニョロっとして鱗っぽいところが似てる(?)よね。気安く触れられない恐ろしさだとか。
西洋はご存知各サインに神話も絡めて象徴が重ねられてるんだけど、蠍座の神話は女神ヘラとオリオンのハナシ。イケイケGOGOで調子に乗っていた狩人オリオンの天狗っぷりをこらしめようってんで、巨大サソリにオリオンを仕留めさせた女神ヘラ。よくやったサソリ、と天にあげられたのが蠍座。だからオリオン座は、その毒針から逃げるように蠍座が昇る頃西の彼方に逃げていく。
サソリ/龍である「辰」、そして天駆ける狼である「辰」
そのオリオンのベルト、三つ星もまた、「辰」の名を冠する星なのがオモシロイところ。
今度の「辰」は冬の目印。晋の時代、「辰」として守護神とされたのがこの、「参」と呼ばれるオリオンの三つ星。
西洋ではオリオンの腰巻きに見立てられたこの三つ星、中国では斧のカタチに見立てられたらしい。(どう見るのかな??)そういうわけで、「戌叉」とか「伐」とかいう名でも呼ばれていた。
ここで鋭い人はお気付きかしら・・・「戌」!
11番目の干支は戌、イヌですな。戌(普にとっての「辰」)は11月の星だから。オリオンを「天狼」とも言うもんねぇ。天を翔ける犬(狼)!かっこうぃいねぇ、この中二心をくすぐるネーミング(笑)
5番目の辰と、11番目の戌が正反対にあたるのもオモシロイよねぇ。
東洋と西洋の星図は東西がひっくりかえるから、5番目の辰は11ハウス水瓶座のハウスにあたるってのもまたオモシロどきどきポイント。
オリオン座の足元にあるのがおおいぬ座ってシンクロも、サソリと龍のシンクロみたいなニアミスできゅんとくる。ちなみにおおいぬ座の鼻先は、シリウス。「天狼」はシリウスを指すことも多い。
↑なにこれ読みたい。突然こういうの出してくるAmazonさんなんなの
星々の世界の住人シリウスは、無実の罪で犬に姿を変えられ、地球へ追放となった。星空へもどるには、失われた魔法の道具ゾイを見つけるしかない。飼い主となった孤独な少女キャスリーンと心を通わせるいっぽうで、シリウスは危険な冒険に乗りだしてゆく
―内容(「BOOK」データベースより)
北方の民の「辰」
北斗七星の北斗。北斗の柄の部分の方角が時を計る標準になる。古代は北極星にほど近く、いつも空を見上げれば北にある光ってことで、北辰。北方民族、周の民にとっての「辰」が北斗だった。
星信仰ネタにも絡むけど・・・聖徳太子の守り刀「七星剣」も北斗七星の剣ですな。
↓この太子像は衝撃、美しく妖しく哀しくおそろしい
星信仰ネタで長崎を探索してた頃のブログ↓
2019星信仰ミステリーツアーまとめ(前編) - STAR SHIP☆星読み航海図
2019星信仰ミステリーツアーまとめ(後編) - STAR SHIP☆星読み航海図
フィールドワークごっこ、楽しかった(笑)
上の『星空からきた犬』を図書館の蔵書検索したら出てきたのが、これ↓
犬の本はなかったけど、こっち借りるかぁ!
聖徳太子が仏教と共に大陸から引き継いだ星信仰の「辰」が北辰、北斗七星を指すのなら、周の文化が関連しているのかな?と思うんだけど、このへんは中国史見直してちょっとケンショーしてみる。
※んで、早速ここまで下書き保存して図書館へ繰り出した帰り道…
有隣堂のYouTubeの最新動画に「聖徳太子」ワードが出てきてワロタ🤣
東洋の占星術のベースになった「二十八宿法」
周の時代に進展したのが、月の位置を背景にある恒星の位置から割り出す手法。背景の目印になる星座を27〜28に分けて割り出したのが、二十八宿法。サインですな。
それまでは月が見え始める三日月の頃から観測可能だったのが、月の見えない「朔」の時までもその位置を把握できるようになったってこと。
二十八宿法は、黄河の下流域に住む民族が最初に採用したんじゃないか、って。
織姫彦星伝説のある地域(星信仰が身近な地域ってことかな?)。この地域は北辰法に次いで二十八宿法が用いられていた。時代は周の初期〜春秋中期。
インドにある二十八宿はこの古いカタチがそのまま伝えられているんじゃないか?ってハナシも。中国に残っているのは、その後整理されてちょっと細部が変わっている。
そしてあのコトバ、「辰は日月の交会点なり」ってのはこの時代のことなんだね!!
太陽と月の重なるところ、新月(朔)のタイミングを計れるようになったこの時代。
朔が12のサインをひとめぐりすることから、十二辰という発想が生まれた。
つまり「辰」というものは・・・
もっと後、日時計が発明されて、影の長さを見る棒を土圭(トケイ)と呼び、日の光を「辰」とよんだ。
つまり、
はかるもの=時計
はかられるもの=辰
ってことだね。
「辰はうごめくトキ」って視点もあながちずれちゃいないじゃないか(*´∀`*)
↑この過去記事で書いてたことですがね
太極→→陰陽→→→→四象っていう東洋の宇宙論に照らし合わせると、四象は四季。自然の大本にあるリズム。日月星辰、我々の周囲(空、天界)を巡るもろもろの存在。
太陽、月、星、そして辰。
辰は「トキ」。それはトキを知るための目印であって、トキそのものを示す存在でもある。
陰陽をさらに大小の陰陽に組分けした四象、4つも陰陽のペアになるわけで。
日月が、太陽と太陰(月)のペアなんだから、星辰も陰陽ペアになるはず。中国語だとふたつセットの熟語で「星座」って意味になるんだけど、これは星(はかるもの、土圭の棒)×辰(はかられるもの、トキ)で分解できるんじゃないか。
陽(+)は機能的なモノ、働きで、「気」の部分。
陰(ー)は物質的なモノ、現れで、「血」の部分。
太陽が注ぐエネルギー(働き)を、月が地球上に同期する(現れ)ように。男女で言えば精(精ってコトバがつまりエネルギーだもんね)を送り出す男性と、卵から生命を産み出す女性さ。
だから、星辰ペアは
星(陰)×辰(陽)かなって思うの。
目安になる星、はかるもの。物理的に確認できる光。これは陰。
辰、トキは陽。それはエネルギーであって、そのものが実在してるわけじゃないけど、機能(働き)として存在しているもの。
星辰ふたつで宇宙の構成要素なわけだけど、「宇宙」として見ても同じ。
宇:四方上下、空間(=現実の物質的現れ:陰)
宙:往古来今、時間(=影響力、働き:陽)
だからさ、
宇=星(陰):観測できる存在、天体
宙=辰(陽):その働きとなるエネルギー的存在、トキ
宇・星(陰)
宙・辰(陽)
今日はここまで!!!
龍頭図の視点については、また今度。