支配ってコトバが強すぎるなら、「統治」と言ってもいいけど。
集団を束ねるバンドルとして、暦は機能する。暦という機能に、信仰心という接着剤も加えたものが占星術(の起源)。
暦が読める、ってのは、「今現時点がどんな数や記号で表されてるのかわかる」ってことじゃない。
流れが読めるってこと。展開の大筋が把握できてるってこと。
牧羊犬が羊の群れを流れるように柵の中に追い込めることができるように、潮の流れを読む船乗りが行きたい方向に船を仕向けるように、集団の大きな動きを特定の方向に誘導することができる。
目の前の一匹ニ匹に構いすぎることなく、最終的に全体がどう動いていくのか、今目の前の動きと未来の動きを同時に見ることができる「目」を手に入れることができる。
そういう点で言えば、
ちまちまと今日の運勢や今月の流れをこうでしょうああでしょうと言うのは、暦を読むっちゅう凄まじい影響力を使いこなしてるとは言えないのかもしれない。
星星のスケールでモノゴトの展開を把握できるってことは、その他大勢の人々よりも「大きなスパン」で時間を把握できるってこと。
ニンゲンの時間感覚ではピンとこないくらいの、より大きなスパンを把握させてくれるからこそ、暦は凄い。
いちニンゲン視点では把握しきれない大きな周期のモノサシとして読み方を知っている、ってのが、暦が読めるってことなのかもしれない。
モノサシそのものが、モノゴトを決めているわけじゃない - STAR SHIP☆星読み航海図
支配者が大衆をひく綱で、分かりやすいのは恐怖。そして意外なのは、希望も綱として重要な役割を果たすってこと。
信仰という接着剤は、恐れと畏れでもある。
希望と諦め、期待と不安。
この「信仰」は、何も〇〇教って名前のつく宗教とは限らない。宗教もまた、信仰を接着剤として活用した一例に過ぎない。
恐怖と希望に扇動されて動く大衆、現代でもそんなに珍しい光景じゃないよね。。。
「パンドラの箱」って神話を思い出した。
この世のありとあらゆる厄災、悪しきものが詰まってる箱を、パンドラが開けちゃったってハナシ。
ニール・ゲイマンだけど「神話について」質問ある? | Tech Support | WIRED.jp - YouTube
09:17で、神話マニアが興奮するニール・ゲイマン氏が「パンドラの箱って何?」って質問に答えてるよ。
人を苦しめるありとあらゆる悪しきものが箱から飛び出して…1番最後箱に残っていたのが、「希望」だった。
これは「希望がまだ残ってるよ!」みたいな文脈で語られることが多いきがするんたけど、ニール氏のもしかしたら…って解釈もすごく面白かった!!!
「希望」は純粋にこの世を素晴らしく幸せにするものなのか
神々の残忍さを象徴する最後のものなのか。
「希望」がなければ
悪しきものの存在しない未来を期待することもなく
悪しきものに満ちた現実をも受け入れることができますからね
これ、おもちろかった。
流行りにのって「これからは〇〇の時代!」「〇〇の流れ!」とか言ってる類の、個人的な希望や理想論やら薄っぺらいハナシかと思いきや、ガッツリ周期メインのハナシだった。
暦ってのは、特定の周期を記述したもの。
占星術ってそもそも暦の取り扱い方体系だからね。占星術(暦、リズム、トキの流れに関するハナシ)が好きな人は読んでて興奮すると思う!!!!
あと、周期のケンキューは経済学が数字で割り出せる分得意なのかな?
経済の動向アップダウン、それに伴う価値観の変化、政治や歴史の動向ってなふうに色々と世界を時間軸に沿って眺められるのが面白い!!!
これ読んでて、暦はやっぱり大きな周期を読むことでその真価を発揮するんだな…と思ったのでありました。