時間の経過、状況の変遷にも影響を受けない、常に変わらぬ唯一の真実たる自己。
占いに「ワタシらしさ」を掘り出してもらおうとする人たちはそんなものを信じているのかもしれないけど、端的に言って、それは幻想。
じゃあ、命占(誕生日を元にはじき出す占い)は何を示してるの?
それは生まれたてであっても死ぬ直前であっても同じ「記号」で表されるんだから、「変わらぬ真実のワタシらしさ」を指してるんじゃないの?
うんうん、そうなんだけど。
そうなんだけど、そもそも「変わらぬ真実のワタシらしさ」の先に抱くイメージが幻想なんだよ。それは彼らが占いに求めるような「性格」とか「傾向」「才能」といった時間や状況の中で表出するものじゃないでしょ。
もっと根っこの部分、「価値観」とか「取りがちな感情パターン」よりももっともっと奥深くにある部分でしょ?
価値観にしても感情にしても、それはまだまだ表面的な現象。
時間と空間(状況)の層に浮かび上がっている時点で、時間の経過と環境の影響下にある現象なわけじゃん。
だから、占いは当たらないよって言いたいわけじゃなくて。。。
「ワタシらしさ」でくくる範囲が表面的すぎるんじゃないか?と思って。
そうはいっても、ニンゲンが思い描く「ワタシらしさ」って、そういう表面にかき集めたものコレクションなもんだから仕方ない。
これは根強いニンゲンの本能的な感覚で、この感覚こそ人間らしさでもある。
ウィリアム・ジェームズは、人が自分に抱く「ワタシらしさ」は、その人の「これはワタシのもの」の守備範囲で決める、と言った。
ワタシの身体、ワタシの精神はもちろん、ワタシの思想、感情、行動。ワタシの着ている服(ワタシの好み)、ワタシの家族や友人、ワタシの住む土地や所属グループ、社会的肩書や名声、銀行口座に預けてある金額・・・
Myナニナニ、の総和が「This is Me」のイメージをつくる。
哲学者サルトルはその「今持っているもの」に加えて「まだ持っていないけど、持つ可能性のあるもの」も足し算に加えられる、と付け加えた。
言ってみれば「所有物」と「所有欲」に自己イメージは左右されているってこと。
ワタシはなにものだ、を確認するために「これはワタシのものだ」が必要になる。
いやぁ、牡羊座を補強する牡牛座の流れだねぇ。
ワタシらしさは、「所有」のイメージに縛り付けられている。
その「所有」の感覚ってのは、ニンゲン特有のもの。
「ワタシべつに物欲強いわけじゃないけど・・・」
「贅沢品とかステータスを必死に見せびらかすのアホらし」
と思ってる人であってもね。
「所有物」と「所有欲」がアナタの価値観とセルフイメージにめちゅあくちゃ影響あたえてるんだよ、ってハナシ。
春分図、アイデンティティの捉え方に境界線を溶かす海王星フィルターがかかっている今。
自分の存在の境界線(どこからどこまでがワタシという存在?)を更新する日食の新月。
月はすぐに牡牛座へと移り、考え直そうとリバースする水星。
まさに今、ピッタリの本だ!!
原題のPossessedもね、「所有する」って意味と「憑依されている」って意味をかけているあたり、見事に海王星に憑依される太陽でしょ(笑)
BOOK CAFEそらふねの本棚に追加して記事を書こうか、プロジェクトメンバーに限定公開で紹介しようか悩んで、ひとまず「今やん!!」って思ったことだけブログでメモしておく。
オモシロイ本だった!!!!