読んだぞ。
3回、読んだぞ。
これを「童話」というかたちで表現したのがエンデの『はてしない物語』だよね。
ネバーエンディングストーリー。合わせ鏡をのぞき込んでしまったかのような不思議な物語。『熱帯』もそんなふうに、分岐していく主人公たちのストーリー。
名作や古典ももりだくさんで、ポトツキの話が出た時に澁澤龍彦せんせのエッセイを思い出した。せんせも「入れ子(マトリョーシカ)状の世界」が気になるんだ、ってはなしを書いてて。
『熱帯』の中ではその無限に続く物語構造が『千夜一夜物語』の謎として、ストーリーの土台になる。
澁澤龍彦せんせは、私の大好きな『高丘親王航海記 (文春文庫)』の生みの親!!!「まだ見ぬ世界に魅せられた」めっちゃ射手座な高丘親王の、幻想譚。
一瞬だけ、うつろ船のハナシも出てきて「ウェーーイ!」ってなった(笑)最近ずっとなつこさんの「うつろぶね」聞いてるからね。
『熱帯』がどんなハナシだったかって、そりゃ、言えないね。なつこさんの曲だけじゃなくてアレコレ「うおぉ!」って驚くドンピシャタイミングなあんなことやこんなこともあったけど、それも曖昧にしか言えない。
なぜって、登場人物の台詞を借りるならこういうわけ。
「小説というものは、誰々が何をしてどうなったというふうに要約してみたところで、あんまり意味はないものです。登場人物たちと一緒になってその世界を生きて、夢中になって読んでいる間だけ存在している。そこが一番小説にとって大事なことです」
「創造」すること、それにまつわるモチーフがたくさんたくさん散りばめられていた。これぞ、「物語」にまつわる物語。創造の創造。BIG MAGICも見え隠れ。
創造といえば獅子座でしょう。
『熱帯』を読みながら思い出したのが夢枕獏せんせの『上弦の月を喰べる獅子(上)』なんだわ。記憶喪失の主人公とか、「謎」に向かっていくところとかね。
これもまた「生まれてきた意味」世界のルーツに関わるストーリーだった。似てるなぁ。夢枕せんせはグロいけど、森見登美彦せんせは、とにかく文章が渋KAWAII★
時間軸が「一直線じゃない」世界の構造そのものに切り込んだアニメでさらに浮かび上がってきたのがゴジラ!アニメの!これを見ていた時も偶然のシンクロ祭り、クリティカルヒットの連続だった。
シンクロ、いや、未来が最初から全部決まっているとしたら?
現に、そういうハナシを「ゼロポイントフィールド仮説」で言ってるわけで。
「卵の中に、過去の卵全ての情報とこれから生まれる全ての卵の情報が全部含まれてる」って、主人公はそう表現してた。(前成説)卵が先か鶏が先か?
ほんと、数日前に映画インターステラーの解説を(本編見てないくせに)読んでいたからそれもまたリンクして。未来を思い出すクイズラリー、みたいな・・・
ゴジラのストーリーもそうだし、それを見てる私の中のストーリーも、それこそ二重らせん!!って勢いで展開される。
「分かれた川は、もう二度と一緒にはならない。
でも、海でまたひとつになる。」
だってあまりにもウマクデキスギテルんだもの。
サルも出てきたよ、道開きの猿(さるたひこ)だな。
「かつてこの海域は満月の魔女が支配していた。
私は彼女から魔術を教わった。さもなくば私は生き延びることができなかったろう。この島へ流れ着いたとき、私もまた君と同じように無力だったよ。
そこは見渡す限り何もない空漠たる世界だった。しかしよく考えてみたまえ。
何もないということは何でもあるということなのだ。
魔術はそこから始まる」
作者の「創作」の世界と、物語の「冒険」と、いろいろとレイヤー状に重なってる「モチーフ」。私はそこに「出生」も重ね合わせたよ。満月の魔女、だからね。
心理学の切り口で言うなら、これは表面的には魔王=父性への挑戦であって、母性の克服(世界に飲みこまれる不安)が根底にあるようにも見える。
あと、BIG MAGIC!!BIG MAGICとの付き合い方というか、契約の分かれ道が登場人物に重なった。〇〇は無意識の象徴だな、とか・・・あれこれ見ながら考察を楽しめた♡
ネタバレになっちゃいけないから、このセリフは白文字にしておこうか・・・
創造しようとするからいけないのだと僕は思った。自分はただ忘れているだけであって、創られるべきものはすでにそこにある。
僕は海に向かって両腕を広げた。
「<創造の魔術>とは思い出すことなんだ」
月は「過去」の象徴だからね。
「魔術とは思いのほか不自由なものだ。あらゆることが可能のようでありながら、それはあくまで見せかけにすぎない。謎めいた機構をあやつろうと試みているうちに、やがて自分こそがその機構に操られているのだと気づく。
しかしそう悟ったときにはもう手遅れなのだよ。すでに進むべき方向は決められていて、我々は滝壺へ向かう笹船のように流されていく」
ここ、占星術も重ね合わせて読んでみてよ。
宇宙の仕組み、源泉の「謎」を紐解いてそのチカラを利用しようって魂胆なんだから、ワレワレの「占い」は。
『熱帯』はそれに対する個人的なワダカマリのアンサーソングにもなってくれた。
物語が私を生むのか?私が物語を生むのか?
意味があるのか、意味を与えるのか。
互いを生み出しあう、入れ子状の物語。
もとから決められた意味や運命があるわけでも、私が世界の意味を定義する(解釈する)わけでもなく、そういうシンプルな一方通行じゃないんだろうね。
物語ることによって汝自らを救え
ウロボロスだねぇ
と、いうわけで今週は『熱帯』を3回読みました。
ネタバレになっちゃ困るから書けないんだけど、もう読んだ人いたらきゃいきゃい話したいね!!(笑)
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