ありあわせの素材でつくった小舟を浮かべて、星がきらきらまたたく宇宙(ソラ)を旅してみよう

星の王子さま』を翻訳した詩人、管啓次郎せんせによる、本にまつわるハナシ。

 

別館ブログで紹介した巻末の文章。

長いけど、とってもとっても好きな部分だから引用。

 

だが読書の<内容>が水だとすれば、ひとつの脳にあまり多くの水を溜めてもいいことなんて、ない。水はよどみ、やがてダムは決壊する。そもそも容量が小さいのだから。

 

あるいはダム湖ブラックバスみたいな獰猛な外来魚(その名は理念?)が繁殖し、もともと棲んでいた少数のネイティブな小魚(子供時代の読書と経験から得られた小さな結晶や形象たち)なんか食いつくされてしまう。

 

水はどんどん海という共有場に向かって流れてゆけばいい。あるいは蒸発し、雲になればいい。流量を誇ったり人のそれと比べたりするのはまったくばかばかしい。われわれの関心は、流れる水によりどんなふうに岸辺の地形や植生が変わり、その周囲にどんな新しい調和と生命が生まれるか、にある。

 

水が刻一刻と作り替える環境を、生きた相で捉え、それを水系そのもの(つまり<私>としばしば呼ばれるこの生きたまとまり)の生存のために役立てること。水系自体が溌溂と生きている状態を保つためには、当然、山から海にいたる流れの全プロセスにおいて、流域の岩や土、フローラとファウナのすべてに対する、関心と気遣いが必要になってくる。

 

書物の森が水源だとしたら、そこから賢く、自分にほんとうに必要なだけの、水をもらうことにしよう。ゆきつく先が海だとしたら、そこにささやかな、ありあわせの素材で作った小舟を浮かべてみよう。

 

驚くべきことに、ぼくらはこの小舟に乗って、はてしなく広がる大洋へと出発することができるのだ。そして大洋にはたくさんの本の島が点在し、島にさしかかるたび、古いともだちや知らない島人たちが、海岸から手を振ってくれる。

 

その希望に支えられて、ぼくらはこの土地で、この都市で、生きている、生きてゆく。

読書の目的は内容の記憶ではない。そのときその場で本との接合面に生じた一回きりのよろこびを、これからやってくる未来の別のよろこび(読書によるものとはかぎらない、生のいろいろな局面でのよろこび)へとつなげてゆくことだ。

 

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本との出会いは、物語との出会いであって、その出会い自体が物語の一分になっている。ふふふ、『熱帯』だね。

物語の中の登場人物が読む物語の、その中にいる登場人物が出会う物語の、そのまた・・・を逆再生していくと?物語を読んでいるワタシの姿を、そのワタシが出てくる物語を通して読んでいるワタシがいて、その物語を読んでいるワタシが出てくる物語を読んでいるワタシの物語を、また別のワタシが読んでいて・・・

 

今、これを書いている(読んでいる)ワタシは、いったいどの層のワタシなんでしょう。

 

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まるで重なるメイズ。

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どの層のワタシも、迷うのを楽しんでいる。

 

本は読めないものだから心配するな (ちくま文庫)』の中で、哲学者グレゴリー・ベイトソンの「物語の定義」をうけて、著者は接ぎ木のイメージを語る。

物語は、いろんな関係性(それは因果関係とは限らない)を通してワタシが感じ取った「つながり」(結び目)。その結び目の出発点から、接ぎ木を繰り返して途方もない森が生まれる。その森の中で、思いもよらなかった呼応関係が突然浮かび上がってくる、と。

 

 

これを読んで、「ああ、コンステレーションじゃあないか!!!」と静かに感動。ワタシのブログの核になっているもの、久々に取り上げたキーワード。

 

constellation:星座、布置、配置

 

「ばらばらに存在している星が、遠くから眺めると獅子や白鳥に見えますよね。それと同じように、偶然と思われる事柄も、離れて大きな視点から眺めると、何か大きな意味がある。そういった、巡り合わせのことを指すんです。『意味のある偶然』ですね。」

SOSの猿 (中公文庫)

 

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さてこのキーワードがハートに衝突してきたということは・・・

【宇宙からのギフトを読み解くプロジェクト】再開の予兆・・・??

 

でも、まだモソモソしているよ(笑)

好きなことをするのに、なにをこわがっているんだろう?

 

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去年も試行錯誤してきたけど、プロジェクトの表現方法をまた変えてみたいんだ。同じものを同じように出したくはない。

 

「自分」は関係の中に生まれる。

選ぶことのできない場所に生まれる。

でも自分は、いつまでも同じところにはいない。

 

いて、たまるもんか!

 

動いては関係を踏み外し、はずしては関係を組み換え、自分を作り替えてゆく。新しい関係との出合いが、新しい自分という面を削る。昨年の私は今日の私にとっては他人、そして明日の私にとってのなつかしい道連れだ。

 

本は読めないものだから心配するな (ちくま文庫)

 

そう!「いて、たまるもんか!」なのだ。

そんでもって

 

分からないことが星のようにキラキラちりばめられた空を旅してみたい

 

のだ。

 

 

さて、ここで背中のベビが起きた。

途中ゆっさゆっさして誤魔化しながら書き続けてたけど、限界かな!こんだけブログ更新できてるんなら、プロジェクトもいけるんじゃないの?って思うよね・・・

 

星をなぞる癒し※最後にプロジェクトのお知らせあるよ - STAR SHIP☆星読み航海図

↑もはやこんな状態(笑)

 

 

こんなこと言ってるうちに、隕石がうしろから追突しちゃうよ。