波乗りポロロッカ!
それはイナンナの冥界下り🏄
冥界の女主人エレシュキガルは、彼女に至る七つの扉を閉じて「自分の手で開けて参れ」と命じた。冥界に至る七つの扉。
イナンナはそれをひとつ開ける度に、「メ(霊力とか、神秘的な力)」を剥ぎ取られる。最後に女主人と出会う頃には丸裸にされ、「哀れな肉の塊」となっちまったイナンナ。
これは↓の過去記事で書いた、らせん状に降りてくるアレのハナシに重なる。
世界最古の神話だもの。
魂の起源に触れていてなんらおかしいことはない。
さて物語はここで終わらない。
哀れな肉の塊になって釘に吊るされたイナンナは、そこで初めて「死」を経験した。冥界の最果てに到達した。
そこで、ワレワレは初めて「生まれた」んじゃないかな。
前回、惑星の軌道を下りのらせんになぞらえてこう書いた。
♇ 宇宙の扉が開かれて
♆ 滲み出したそれは漂い
♅ 綿菓子のように引きちぎられて
この太陽系に放り込まれた。
♄ 冷えて固まった飴は削ぎ取られるように造形され
♃ また肉付けされ
♂ 突き動かされるように
☼ 中心を目指す。
♀ この世界は美しく
☿ 大変興味深いものだから
🌙 それはここに生まれることにした。
いや、最後の月は書き換えたい。「生まれることにした」は次ののぼり螺旋だから。もちろん、下り螺旋の終着ポイントと上り螺旋のスタートは重なっているから、同じなんだけど。
敢えて下りを意識するなら、こうかな。
🌙 それはここに着床した
地球という大地に播種された。
そう、隕石のパンスペルミア説※のように。
※パンスペルミア説
地球上の生命の起源は宇宙から飛来した隕石に付着していたアミノ酸由来だという説。最近は結構学術界でも支持されているらしい。
魂と肉体、どっちが本体か、ホンモノなのか、ってハナシはこの界隈でよく聞く問い(もちろん、魂がホンモノで肉体は仮初、という答えが前提で投げかけられる問い)だけど、
どっちがホントウの私なんですか。
と問われるのは聞いたことがない。
私には、同じ質問のように見えるんだけどね。
ひじょーに不思議である。
さあ下り螺旋(精子)の旅を迎え入れた卵子は、今度は上り螺旋で惑星の軌道をたどっていく。
🌕 蒔かれた場所で生き延びるために必要な情報を吸収し
☿ 根毛を周囲に伸ばし
♀ 土中の養分を得て
☼ そして陽の光を求めて芽を起こす
♂ どんな障害に屈することもなく
♃ 幹を太らせ枝葉を茂らせ
♄ やがて手に入れた全てを削ぎ落とす
♅ そうして極限まで固く、薄くなった殻を脱ぎ捨てて大気圏から脱出し
♆ 銀河を漂う星雲と混ざり合い
♇ この世界に別れを告げ、始まりの扉に吸い込まれていく
土星から天王星の流れは、『星の王子さま』のお別れを思い出すねぇ。
生き方(人生の方向性、意味付け)に悩んだら、星の軌道をなぞってみよう。私たちはおのずから、螺旋状に、上へ上へと拡がっていこうとしているんだから。
「意識」というやつが何をしているのかっていうと、それはブレーキをかけること。私たちは「決めている」つもりでいて、何も決めちゃいない。「選択している」ようにみえて、実は選択しているわけじゃない。
この電子回路にあるスイッチはオンとオフのみ。
ブレーキをかける(スイッチ・オン)か、かけないか。
リベット博士が発見したのは、「意志的な決定を下す前に、身体はもうその動きを始めている」ってこと。ただし、意識にはそれを拒否する力がある。
拒否するっていうとネガティブに感じるかもしれないけど(ブレーキとかブロックとか)、そうやって「いやそっちではない」のスイッチを駆使して、方向を調節しながらワレワレは進化してきたことをお忘れなく。
とはいえ、ブレーキかけまくって方向がわからなくなったのなら、一旦星をたずねてみよう。そこには私が私になる前に通ってきたかすかな残り香があるはずだから。
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じていくことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
−宮沢賢治
帰り道を辿るために落としてきたパンくずは小鳥さんたちに食べられちゃったけど、その道を教えてくれるのも小鳥ちゃんたちの歌声なんだから。
小鳥ちゃんたちってのは、羽ばたくエネルギーの残像!
つまり、※ルフ(『マギ(1) (少年サンデーコミックス)』)
※ルフ
生きとし生けるもの、全ての魂の故郷。
また、魔力を生み出し、この世のありとあらゆる自然現象を発生させている存在。
人の目には、鳥の形をした光の流動体として認識されているが、魔法使いの才をもった者たち以外は、特別な道具を使用したり何らかの条件で高密度にルフが集合しない限りは、その姿を目視することはできない。
ルフの分類
1型ルフ…炎を操るルフ。現象発生の際にはしばしば赤く輝く。
2型ルフ…水を操るルフ。現象発生の際にはしばしば青く輝く。
3型ルフ…光を操るルフ。
4型ルフ…雷を操るルフ。現象発生の際にはしばしば黄色に輝く。
5型ルフ…風を操るルフ。現象発生の際にはしばしば白く輝く。
6型ルフ…音を操るルフ。
7型ルフ…力を操るルフ。現象発生の際にはしばしば黒く輝く。
8型ルフ…命を操るルフ。現象発生の際にはしばしば紫に輝く。
『 マギwiki』より
さぁ、大逆流のポロロッカ。
怖れるよりも、その波にのって遊んじゃえ。
冥界で打ちひしがれた肉になったイナンナは、どうなったかって?
ぜひこの本を読んでそのオモシロサを味わってほしいんだけど、非言語情報満載の物語なわけで。。。
著者、能楽師の安田登せんせは、イナンナを舞台にその世界観の再現を試みた。なんと!!YoutubeでそのPVが見れちゃう。
能面って、すごいね。
無表情の中に、ありとあらゆる感情が反射して見えちゃう仕掛け。
薄暗く不気味な「幽玄」の世界。クセになりそう。(笑)
変性意識にもっていかれそうだね。
実際、脳の舞台はそれを目的とした仕掛けなのかもしれない。光陰、音、響き。
安田センセは、そう言っていた。能は、眠くなるもんだ、って(笑)
『私たちは、いまを生きるために過去の自分をどんどん切り捨てています。切って、捨てて、殺した自分がいる。』
思い出さない過去ってのは、かなり大きいスケールも当てはまると思う。例えば今の人生を生きる前の人生、だとか。
能楽師の安田氏は、能を観ていると切った自分、捨てた自分がふっと出てきて、その衝撃が激しすぎると寝てしまう、と言っている。
忘れられた神話。魂の起源。
それを見て、眠くなろう(笑)
らせんぐるぐる。