魔女修行は金星がテーマ
13歳の満月の夜に、魔女は家を出て修行の旅に出る。
この思春期の一歩手前、水星の年齢域から金星の年齢域に切り替わるポイントですな!
もしこの修行が「独り立ち」「自立」をメインにしているんなら、きっと旅立ちのタイミングは太陽の年齢域になる。でもそうじゃない。魔女修行のテーマは金星ってこと!
金星のテーマは「感受性」「美意識」「受け入れるヨロコビ」!愛と豊穣と美の象徴ですから、なんともキラキラ。
牡牛座&2ハウス
金星のエネルギーを働かせるサインが、牡牛座と天秤座。
牡牛座のテーマは才能とか、自分の資質、リソース。牡牛座的な要素を生活の背景として見たのが2ハウス。2ハウスは「稼ぐ力」として金運や仕事運に結び付けられるハウス。
『魔女の宅急便』は、魔女修行に出たキキが自分の中の2ハウスに向き合う、そんなストーリーになってるよね!「私、空を飛ぶことしか能がないから!」「飛べなくなったら、なんの取り柄もない!」そんなセリフが要所要所で出てくるでしょ。
自分には、何がある?何ができる?
それから牡牛座(2ハウス)は遺伝とか才能とか肉体レベルで自分が確かに持っているものでもあるんだけど、ここに気付くシーンがキキが飛べなくなったあたり。
「魔女は血で飛ぶの」
努力をしたとか訓練して鍛えたとか、そういう取って付けたスキルとは違う。そういう技術的なことなら乙女座(6ハウス)の管轄になる。
自分の元々持っていたリソース(2ハウス)を、どんなふうに活かして周囲の需要を得ようか(6ハウス)、それが結果的にどういう仕事(10ハウス)として打ち出すことになるのか。
地エレメントのグランドトライン(牡牛座、乙女座、山羊座)がある人、それかそういう自分の価値を押し出す分野でグランドトライン(2ハウス、6ハウス、10ハウス)がある人は、そのエネルギー循環が上手いことできあがってる、って感じ。
天秤座&7ハウス
金星エネルギーを働かせるもうひとつのサイン、天秤座は人間関係や他者との交流にスポットライトを当てるサイン。対人関係の7ハウス。
キキの黒い服も、ストーリーの要になってた。「もっとおしゃれな服だったらよかったのに・・・」これ、天秤座の視点。人から見てキレイかどうか、イケてるかどうかってのが気になるんですな。
トンボ少年とのやり取りの中でキキが「プン!」ってなるのが、毎度この天秤座要素なんですよ。「ほら見て、本当に黒い服着てるだろ~!」ってセリフだったり(彼に悪気はない!!)華やかな若い子グループ、パーティ、そういう社交の世界に対する引け目だったりね。
で、7ハウスは人と関わるハウス。
その関わり方は対等。天秤ですから。
パン屋のおそのさんとの関係も、感謝はしてるけど卑屈になったりしないでしょ。雇われてるわけじゃない。13歳だけど、ちゃんと契約の上で対等な立場を築く。
あと、7ハウスの出来事を描いてるのはトンボ少年もそうだし、仕事を通して出会うお客さんたちとのやりとりも。
人とのやり取りを通して、自分がどんなふうに見られていて、どんなふうに見てほしいのかってのが見えてくる。
7ハウス(他者)は1ハウス(自分自身)の鏡だからね。
7ハウスは2ハウスと150度のアスペクト。150度は分かり合えない角度、視野の外。
7ハウスが強調されることで、2ハウスエネルギーが届かなくなる。それが、「魔法の力が…!!!」の事件かな。
誰かの役に立つ実感が欲しい、乙女座&6ハウス
キキは自分のリソース(空を飛べること)を活かして、宅急便というお仕事を請け負うわけです。最初は、パン屋さんのお手伝いとして。これね、6ハウス。まだ自分の看板じゃないってのがミソ。
あと、ニシンの包み焼きのおばあさちゃんのシーン!乙女座発揮してあれこれ世話を焼いてしまったことで、パーティに遅れちゃったあのシーン、6ハウス失敗なんじゃないかしら。
6ハウスは健康管理のハウスでもある。
あのあとキキは熱出して寝込んじゃったよね。
あと、自分に批判の目を向けちゃって落ち込むの。びしょ濡れの黒い服でパーティなんか場違いだわ、ってな。これ乙女座。
ちょっと自信がついてきたところで、自分のできることできないこと、その許容範囲を学ぶってところも6ハウス感満載。
6ハウス一つ手前の5ハウスは自信!素直で明るい私!っていう自己肯定感。
そこから他者と対等な関係性を築こうとする7ハウスに至る前段階として、6ハウスがあるのだよ。実際にどんくらいデキルんだい私は、ってシビアな目。等身大の自分をまず知らねば、等身大の(対等な)関係性=7ハウスは築けないから。
2ハウス牡牛座の力が見えなくなる
キキはトンボ少年が意外にイイやつ!ってことに気付いて仲良くなるんだけど、その後魔法が弱くなっちゃったことに気付く。
黒猫ジジの言葉もわからなくなる。これ、いろんな考察があるところ。恋をしたから?とか。ジジもキキと同じように、仲良しの美猫ができてラブラブになったところなんだよね。
なんでかわからないけど、これは困った!!って焦るわけ。だってこれしかないと思ってたリソースを失っちゃうわけだから。唯一の自信のあるポイントというか、拠り所だったわけだから。
で、占星術的な視点で勝手な考察をすると、150度先の7ハウスが強くなったせいで見えなくなっちゃったんじゃないかね?って。
YODで示される自分の牡牛座要素
もひとつ逆方向の150度先にあるのが、射手座&9ハウス。
スランプモードのキキの前に現れたのが、絵描きの姉さん。めっちゃ射手座な姉さん。
牡牛座を頂点に150度の三角形でできるのがYOD。
YODは底辺の2天体が頂点をピッと指し示してる。ここで底辺に当たるのは射手座と天秤座ね。キキは射手座の姉さんち(射手座かどうか知らんけど、要素としては射手座ってこと)に泊まりに行って、対等な友人として等身大の自分を打ち明ける。これ、天秤座。
YODの底辺にあたる射手座と天秤座の要素が組み合わさって初めて、YODの頂点を意識することができるようになる。これまでは出来て当たり前、当然の能力だから意識してこなかったリソース。そこに改めて光を当てるのがYODの力。
それにしても絵描きの姉さん(ウルスラ)、とっても射手座的(笑)
自由そうでしょ、あと気を遣わない気楽な態度。明るいんだけど、時々もんのすごく遠くを見てるような、画家(芸術家)の顔になる。
壁にぶち当たったとき
姉さんは自分のスランプ体験を教えてくれた。当然あると思ってた自分の能力(牡牛座)の限界に気付いたときのハナシ。
「それまで自分が描いてたのは、誰かのマネだって気付いちゃった」
これは、土星回帰だな。最初に目指していたゴールは自分の設定したゴールでないんですよ。それを壊さないと、この壁を乗り越えないと、自分自身の絵が描けない。
土星は山羊座の星、そして10ハウスを表す天体だね。目標地点、手に入れたい結果、肩書き。誰かがつくったゴールを目指している限り、自分の絵は描けない。
キキは社会の中で自分が何を提供できるのか(6ハウス)試行錯誤しながら(乙女座)、最終的に自分の打ち出す役割、仕事(10ハウス)を見つけようと修行(山羊座)している。
10ハウスの修行は、6ハウスの訓練・練習と違う。6ハウスの練習はお手本があるけど、10ハウスに向かう道に乗るには最初の壁を越えねばならん。
地のトライングルの中で、10ハウスだけが地表にある。
姉さん流スランプを乗り越える方法
1.描いて描いて描きまくる。がむしゃらにやってみる。
(それでもダメだったら?)
2.描くのをやめる!やめて、全く関係のないことをする。
3.待つ。そのうち自分から、描きたいって思うようになる。
このハナシが、十牛図だなーーーってちょっと思ったの。
牛飼いの少年が、牛を見失って、探しに行くって展開の10枚の絵。
牛って・・・牛やん!!!リソース、牡牛座ですな、まさに。
これまで当たり前に自分のそばにいた牛が、いなくなる。それを探して、がむしゃらに捕まえようとして、んで、牛の存在を忘れる。忘れて、牛と自分がひとつになる、そんなようなハナシだった・・・かな?うろ覚え。
こういうハナシをして、落ち込んでたキキは元気になる。
壁を超える力はどうしようもない出来事
キキがなくした魔法の力を取り戻したのは、できるかできないか考える余裕もないくらい必死になるしかない事件にあう。それがきっかけで取り戻すのよね、空飛ぶチカラ!
壁を超えると言えば、天王星!
天王星は突発的な出来事、大きな変化、トランスサタニアンなもんで、個人のチカラが及ばんような大きな事件的出来事ですな。
なんかこう、大きな事件を経て、生物って進化するもんね。そんな感じで、個人の限界を超える出来事ってのも外部からもたらされるなにかだったりする。
でも面白いのは、こういう「外部からもたらされる出来事」ってのはその(進化の)準備ができた時に起こるってこと。キキが落ち込んだところから復活した直後だったように。
ピンチはチャンス、なんていっちゃうと軽いんだけど、危機が人を成長させるのは、進化のセオリーなんだと思おう。
金星は出会いを受け入れるチカラ
金星をテーマにした修行を通して、地のグランドトラインをまわす。それが魔女のイニシエーション(大人になる儀式)ってのが面白いよね!!
さて金星ってやつぁ「よろこび」を見出すチカラなわけだけど、金星は「個」が単体では発動せんのです。感「受」性っていうように、受け止める対象が必要になる。
それはオイシイ何かかもしれないし、美しい何かかもしれないし、好意をよせる誰かかもしれない。じゃあ自己愛は?いやいや、これも自分を「対象」としていったん外に出して、それにヨロコビを見出してるわけでしょ。
モノであれヒトであれ、自分以外の何かと接すること、受け止めることにヨロコビを見出すのが、金星。好ましいつながりを見出すってことは、調和するってこと。その調和ポイントが美意識。
愛と美のヴィーナス(金星)は、つながりをよろこぶチカラ。
金星は豊かさの象徴でもある。つながりの中から豊かさが生まれるんだね。
つながりをもつ、受け入れるってことは「異物を受け入れる」ってこと。でもなんでもかんでも受け入れて我慢するんじゃないのよ、だって好き・嫌いがあるでしょ。
好きの感覚が分かるってことは、嫌いなものを知ってるってこと。逆に「自分が好きなものが何か分かんない・・・」って悩んでる人は、嫌いなもん挙げてみて。好き・嫌いの感覚が、金星の美意識だよ。
金星が調和とか平和とかってキーワードも持つ。
調和とか平和ってのはね、無理やりなにとでも繋がるってことじゃない。自分にとって心地いいあんばい、バランスをはかることで得る感覚が平和とか調和なんだよ、ってこと。
金星は天秤座と牡牛座の星。大切にしているのは、バランスと、心地よさ。
一人前の魔女になるには、バランスと心地よさが必要不可欠ってことですな!!
”魔女”は考えないの。
魔女はただ知っているのよ。自分自身のするべきことをね。
そうそう!【星に学ぶワークショップ金星編】でこういう「つながり」をたくさんシェアさせてもらったよ☆彡キーワードの羅列じゃなくて、そこの「つながり」に注目したおはなし。つながりから何を学べるのか?って視点。
ただ今、バージョンアップのためにワンコインモニター募集中!
占星術を通して出会った「これはおもしろい!!!!!」って気付きをね、もっとたくさんの人と共有したいのです★
次はナウシカか・・・?!
占星術的視点で楽しむシリーズでした☆彡