新しい文明の方向性は<見えない世界>とどう向き合うか、で決まる

 読み終えて、つるつるつるんと抜けてしまわないようにアウトプット。

 

文明は〈見えない世界〉がつくる (岩波新書)

文明は〈見えない世界〉がつくる (岩波新書)

  • 作者:松井 孝典
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: 新書
 

 

著者の松井孝典さんはNASAの研究員やら惑星研究やら宇宙やら物理学やらそういう分野のプロフェッショナル。

 

この本は、文明の始まりから現代にいたるまでの「人類史」を俯瞰してみることで、「我々はどこから来たのか。我々は何者か。我々はどこに行くのか」を探ってみようって内容。

 

ja.wikipedia.org

 

とってもゴーギャンゴーギャンなテーマなのだ。(大好き)

 

そもそも文明ってやつは<見えない世界>をどうにかこうにか記述した上に成り立ってるんだぞ、ってのが大前提。記述ってのは、コトバで説明するのはもちろん、数や記号で表して<見える>化したってこと。

 

だからこそ、このゴーギャン的テーマの答えは<見えない世界>の中にある、ってのがストーリーの大筋なのだ。

 

starship.hateblo.jp

 

私は「見えない世界との接点」と表現したその境界線を、拡大して精査してきたのが「科学」であって、それが文明の発達の基盤になってきた。その流れを書いてあるんだけどね、これがも~おもしろい。人類史って無味乾燥な箇条書きのタイムラインじゃないんだよ!!

 

文明の始まりは「天のリズム」を見出したこと

星読みキターーー!!

Planetarium Show

星に関する知識から、人類の文明はスタートした。

<見えない世界>を記述する第一歩が、占星術だった。天のリズムを観測してつくりあげたのが「暦」。暦を管理するってのは、「時」を支配するってこと。いのちは「時」と共にある。

 

そう思うと、個人でこうやって出生ホロスコープや天体の運行を自由に見れる(意識的に活用することができる)今の時代って、スゴイ時代だなーって思う。

 

そこから古代ギリシャの哲学や数学、幾何学という手段でもって、<見えない世界>を記述してみようという人間の努力、探求をなぞる。宇宙論の展開であって、人間理解の変化を眺めてみようってワケ。

 

アリストテレスの五大元素論とか、数に見出す神秘的法則性とか、占星術数秘術でおなじみの「理論」も出てくるよ。前後の流れを見ると、「この宇宙観って、そーいう経緯で発生してこんな風に理解しようとしてるってことだったのか!!!」とリアルに感じられるよ。

 

<見えない世界>の意味づけとして代表的なものに「宗教」を思い浮かべると思うんだけど、この本では宗教(一神教)は「思考停止」黒歴史的な取り扱い。(笑)記述化する努力を「神」に代弁させることで放棄している、ってことで。

 

人間って割り切れない存在なんだよ

文明の発展って、合理化していく「知性」の流れと、観測(実感)する世界の捉え方との間にあるギャップの葛藤でもある。

 

例えば「数」に神秘を見出した宇宙論では、宇宙はCOSMOS(秩序)ある存在で、それゆえ美しいと考えられている。でも、数学という記述の技術が発展すると、「法則性のない数(無理数)の存在」という矛盾が出てくる。

 

無理数と言えば、ペトロスキー教授のハナシを思い出す。

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講演会でも例に挙げていたのが「無理数」だった気がする。

結論から言うと、コンピューターで動いているAI(人工知能)やロボットは最も重要な部分で所詮人間には追いつけませんよ、と言うものです。

 

確かに、コンピューターは有限の桁数の数の加減乗除の処理能力は人間に比べて途轍もなく早い処理能力があります。それはちょうどブルドーザーが人間に比べて途轍もなく力があるのと同じ類の能力の話です。でも、無限の桁数の数の処理に関しては、コンピューターは全く無力なのです。そして、数のうちの圧倒的大多数の数は無理数と呼ばれる数で、その値を表現するには無限の桁数が必要なのです。だから、どんなに高性能なコンピューターでも無理数を扱うことができません。

 

そう!!!それで、昨日参加したひばりさんのワークショップゆうあさんが「リズム」について話してた時、これを思い出したんだった!!

 

ゆうあさんは量子論のポイントをわかりやすーーーく「リズム」と表現してたのね。それで、人ってのはオーケストラみたいだって。めっちゃすてきな例え。たくさんのリズムが重ね合わさって、ひとつの個体として合奏しているのが、人間。

 

そのリズムが調和したり乱れたりってのが、体調や気分の変化として現れる。すべてのものにはそれぞれ固有の「リズム」があって、それは天体だって一緒。月には月の、月齢で変化するリズムがある。そのリズムが自分のリズムに触れた時、なにかしら変化を感じる・・・ってのがホロスコープの世界観( *´艸`)

 

出生図は、生まれた瞬間の宇宙のリズム。それを「記憶している」と表現しているところが・・・惚れなおしましたぜ、ゆうあさん!!!頭でする「記憶」とは違う、「覚えている」リズム

 

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ゆうあさんに捧げるよしお

特に今回響いたのは、人間のリズムは基本不完全、ってこと。暦とか占星術とかには「割り切れない何か」が必ずあって、それを不完全な人間と組み合わせて地球で調和しようとしてるんじゃないか。そういうハナシ。

 

人間、乱れててなんぼ。(笑)

 

だから「つながり」でもって、調和に向かおうとするんだろうなー。人とか、環境とか、外とやりとりをして維持する「開放系」のリズムが必要になる。動きつづける(リズムのやりとり、変化を繰り返す)ことでひとつのまとまり、バランスを保つ

 

 

Caravanの歌「Changes」の歌詞が好きなんだ!(Youtube貼りたかったけど見つけれんやった。。。)

 

The Planet Songs vol.2

The Planet Songs vol.2

  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 あ、この曲入ってるアルバム探したら「Planet」だった。ワオ

 

マクロの世界とミクロの世界がつながるとき

スケールをどんどん拡げて宇宙を考えると同時に、もっと小さく、もっと小さく、どんどんズームインしていくと何があるのか?ってのもまた<見えない世界>への探求なのです。

 

モノを小さく小さく分けたら?

時間(運動)をもっともっと細かく分割したら?

 

観測技術の発達と、記述する技術が発達して、<見える世界>はどんどん拡大してきた。(分からないことは、減らないんだけどね!)

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で、ご存知アインシュタイン!!光の性質って、主観的だよね・・・っていう衝撃的な展開がここでやってくる。そこからマクロとミクロの矛盾に「え?え?どうなってんの??」ってなったけど、そこは超ひも理論が回収してくれたんだね(今のところ)。

 

<見えている世界>は毛玉のもつれ

超ひも理論とか量子論とか、私の理解レベルと言語能力じゃうまいこと説明できんのだけど、ものすごく乱暴にまとめると・・・

 

「存在」のいちばんいちばん小さな構成要素ってのは、「繊維(ひも)」の違いなんだよ、ってハナシ。そのひもがどう振動するのか、で観測できる存在(素粒子の種類、質量、重力、光)の性質が決まっているらしい。

 

だから、リズムの組み合わせ、オーケストラって表現はお見事!人間だけじゃなく、あらゆる存在が固有のリズムを持っている。私たちはリズムを捉えて光(視覚)や質感、重さ、動きを把握してるんですな。

 

で、この超ひも理論はこの世界を10次元で見える化(記述)しているんだけど、その層のでき方もまたおもしろくって。3次元は私でもわかる、xyzの立体を数値化したアレよね。空間は三つの座標の点・で記述できる。ここに時間tを加えて4次元。動きが出てくるのね。

 

(私数学はまじでぱっぱらぱーだから、まったくトンチンカンなこと言ってたらスマンです)

 

残りの6次元は、3次元の空間の内部に組み込まれている層なんだって。繊維のもつれのような、ミクロの世界。その<見えない世界>の繊維の中に書き込まれた情報で、私たちの見える世界はできてるんだぞ、っていう頭グルグルしちゃう理論が、現代の宇宙論

 

「ミクロとマクロは分かち難くリンクしている」例に挙げられている、コインシデンス(偶然の一致)のハナシも面白かった。観測できる基本の物質量7つ全てに、共通する「比」を見つけちゃったんだって。10の40乗がどーたらって。

 

これはもう、占星術の合言葉「As above, So below」じゃないか。フラクタルとか曼荼羅とか、「相似」から学ぶってこと。

 

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もともと脳の働きの根本は、僕は比喩とかアナロジーとか模倣とかいう能力だと思うので、そういう能力と言うのは、物事を手際よく分割して分類のストックにはめ込んでいくという合理的な考え方とはちょうど対照的な働きだと思うんですね。


つまり、脳の働きのスタートラインにはそれぞれ違ったものを結びつけるような働きがまずあって、夜空に広がる星に白鳥などの姿を思い描いたり、それをまた人の運命と結び付けたりして歴史が構成されてきたわけです。

全く異質なものがあるときパッと結びついたり、それが自然にシステムを形成したりして、ワレワレはこの世で起こる出来事を理解してきたのではないでしょうか。

 

共感のレッスン 超情報化社会を生きる

共感のレッスン 超情報化社会を生きる

 

 

ま、ワレワレはそれを「コインシデンス」じゃなくて「コンステレーション(星座)」と呼ぶんですがね。むふん。(鼻息)

 

語源はラテン語のcom(ともに)とstella(星)で、星座、そして布置や配置という意味がある。ばらばらに散らばる星が、点と点を繋いでひとつの絵を描くように、無関係で偶然に思える出来事が繋がって大きな意味を成すこと

 

 

これから先の文明(人類の未来)のこと

宇宙船地球号というキーワード。筆者はこのメッセージを「地球にやさしく」のような情緒的なスローガンに置き換えられているのを残念に思ってるようで、だからこそ本書の大部分を割いて文明の人類史を詳細に案内してくれたんだと思う。

 

<見えない世界>と<見える世界>との関係を整理して、これからどうしていくべきか問い直す必要があるぞ、と。

 

文明は悪だ、科学の発展は地球にとって害だった、ってのじゃないんだよ。決して。文明を捨てて自然に還ろう、とか、ミニマリストになろうぜってのともちょっと違う。そのニュアンスはぜひ本書を手に取って読んでほしい・・・

 

この部分、私たちが声高に言う「風の時代」の在り方をすごくリアルに言い当ててるの。例えに出てくるのが「熱力学」ってのがキュンとくるポイントなんだけど(笑)

 

文明の行方、「風の時代」の在り方

エントロピー(カオスっぷりの程度)と、エントロピーを逆回しにするゲネントロピーというチカラに注目~

 

人の命の一生だとか、経済活動とか、ありとあらゆるもののエネルギーの動きってのは、エントロピー(カオスっぷり)が増えていくという流れの上にある。わや~っと霧散していくというか。バラバラに分化していくというか、なんかそんなイメージ。エントロピーが最大化した状態が、停止。そして死。

 

でも他の世界と繋がることで、その流れを逆行させることもできる。

 

猫で有名(?)なシュレディンガーはそれを「生物体はネゲントロピー(負のエントロピー)を食べて生きてる」と表現した。そうやってエントロピーの流れを逆流させながら、命を維持している。

 

文明にとってゲネントロピー(負のエントロピー)はなにか?それが文明を破綻させない(=人間の地球上での生命活動を維持する)鍵になる。

 

で、著者が取り上げたのが人間の「知性」という<見えない>富。そして情報と、人のつながり(ネットワーク)。

 

知性を駆使して視野を広く持ち、全体を考える。それは人間の責任でもある。これってとっても、水瓶座占星術が言う「風の時代」そのもの。

 

「つながり」、「自立した依存関係」は、私個人もすごく注目してるテーマで。これまでの自分をゆだねる依存、繋がり(しがらみ)とは違うタイプの「つながり」。連携とかネットワーク、って言ったほうがイメージに近いのかな?

 

ビッグデータやAIの取り扱い方針は賛否両論の世界だけど・・・私は、「あったほうがいい!ないほうがいい!」というベクトルで議論するよりは、そのテクノロジーをもっと発展させて「全体(マクロのスケール)のために」活用するためには、何をどんなふうに学んでいかないといけないのだろうか、という方向で話し合えたほうがずっとずっといいように思う。

 

陰謀論とか、エンタメとしては面白いけど、思考停止(放棄)は嫌いだ。

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

「つながり」に関して、ランダム・ネットワーク理論のハナシがおもしろかった。友達の友達を6回たどると、世界中の人と繋がれちゃうようだぞ、って発見。

ノード(頂点)をランダムに結ぶネットワークは、1本のリンクが巨大なクラスターを生む。今はアレの代名詞となっている「クラスター」って、ここで使われてた用語なのか!!ってのが新鮮だった。

 

この巨大なネットワークが成立するには、小さな世界、小さな繋がりが基本条件になる。自分がすべてと繋がろうなんて考えなくってもいい。

 

私は私の小さな世界、つながり。あなたはあなたのつながり。それがどこかでまたつながって、つながりがつながりを引っ張り出して、数歩引いてみたらとんでもないスケールのつながりができてるんだから。

 

 

 

 

あ、あとがきで「パンスペルミア」が出てきたのにはテンション上がった。

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わりきれない存在<見えない世界>との付き合い方といえばこれさ。

kotokotoba.hateblo.jp

 

ーーーーーーーー↓まるごと過去記事から引用↓ーーーーーーーーー

ザトウクジラはね 水の中で歌をうたってるんだ。

水の中では音は空気中よりずっと遠くまで伝わるから・・・鯨は歌をうたうことで、何キロも離れた仲間どうしで会話してるのさ。

 

超音波画像ってわかるかい?

 

あの・・・おなかの中の赤ちゃん見るヤツ?

 

そうだ。鯨の歌はね、とても複雑な情報の波なんだ。鯨たちはもしかしたら、見た風景や感情をそのままの形で、伝え合って共有しているのかもしれない。

 

海獣の子供(1) (IKKI COMIX)

海獣の子供(1) (IKKI COMIX)

 

 

情報の波。波動、振動。

 

リズム、周期、波のようなもの。色んな幅や大きさの波が重なり合う。
言葉にするとなんか恥ずかしいけど、ハーモニーってやつ。
波ってことは、サインコサイン、○(まる)の分解でしょ?
色んなサイズの、色んな色の○がいっぱい集まって、一つの○を作ってる。
海も、地球も、音楽も、それぞれの○のリズムを持ってる。

世界って泡ぶくみたいだなぁ、って思った今日この頃でした

 こんなこと、書いてたなぁ。

sonogono.jugem.jp

 

その情報の波(リズム)に共振、共鳴することで「記憶」として受信しているんじゃないかな。受け取る側の何が共振しているのかって、そりゃ「意識」の部分なんだけど、「意識」本体を動かすのは難しいから、身体を先に動かす。

 

身体を揺らす、踊る、歌う、声帯を震わせる、呼吸を合わせる。

 

直に浴びるだけでも、振動はもちろん伝わるけど、一緒に合わせてみようとこっち側からも動くのはダイジなのかも。

 

それこそセルフヒール

 内側から動かない限り、全ての癒しは無意味!

自分を癒せるのは、自分だけ。

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共感のレッスン 超情報化社会を生きる』では「人間は人間を根本的には救うことはできない」と言っていたけど、この「人間」は「他人のコトバ、外からの働きかけ」という意味なんじゃないかな。

 

「共感」ってのは、振動を合わせること。チューニングすること。そういう結論だったっけ。それって、「響関」のことだね!響き合い、関係しあう。

ーーーーーーーーー↑引用ここまで↑ーーーーーーーーー

 この記事ですな。

starship.hateblo.jp

 

よーーーーーし、一本、放出完了!!!!!

次に放出したい下書き記事

発達心理学の「エリクソンの発達課題」×占星術の「天体の年齢域」×フラワーエッセンスの

□複合アスペクトトールハンマー」について

□生命の起源でおもしろかった「シアノバクテリア」について 

 

 

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