「思考停止した凡人こそが、陳腐な悪の正体なのよ」

 「理解しあおう」「共感でつながろう」って“やさしさ”の危険性というか、落とし穴みたいなものについて、今朝名越先生のYoutubeを見ながら、私も改めてまとめてみようと思った。

 


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「つながる」「わかりあう」のは精神的にとってもダイジなことで。占星術で言えば心の安定感、月の司るテーマであります。月のテーマを満たすためにワタシが世界と関わる方法が、蟹座というサイン。その世界観が、4ハウス。

 

共同体の一致団結具合に過剰反応してしまうこと、共感の強要は蟹座の負の側面。もちろん個人の星座(性格)のことじゃないよ。占星術っていう「世界の記述方法」を使って社会の仕組みを見てみると、ってハナシ。

 

蟹座の強制力は、水エレメントだから心理的なんだよね。だから不安とか感情的な揺れ動きが大きな力を持つ。

 

同じ活動宮でも、山羊座がその強制力を発揮すれば「地」=具体的システムや構造に働きかけるだろうし、牡羊座は勢いとスピードで他の追随を許さん、ってな。風の天秤座なら、情報やデータ、理屈で訴えかけるんだろうか。

 

 上の動画で喋ってる名越先生は心のプロフェッショナル、蟹座的圧に対する「生存戦略」としてこんな本を書いてる。名越先生の本はとってもフランクで読みやすい。

そういえば心のケアのプロフェッショナルって、みんなひょうひょうとしてるなぁ(笑)ひょうひょうとしてるけど、チャラくない(笑)

 

ともかく人のために尽くそう尽くそうと努力している人など、心理治療に向かないことは明白である。

 

 

名越せんせも、河合せんせも、自分の世界をちゃんと持ってて、「この人と私は違う人間だ」っていう距離感や境界線をちゃんと(柔軟に)把握できる人なんだなって思う。自分と完全に切り離すわけでも、同化することもなく。

 

「治してあげよう」とか「気付かせてあげよう」って思ってない。いや、もちろんそれが仕事なのは分かってるんだろうけど。かつ、「私は道しるべを照らすだけ、変わるかどうかは本人次第」って口先だけの自己満足と無責任さもない。

「感謝されることと」か「喜ばれること」を目的にして活動しているカウンセラーやコーチング系の人(もしくは占い師)って、「私が」助けてあげて満足したい、「私が」いい人気分を味わいたいって人、隠れてない…??┃┃ω・`)チラッ

 

いや、実際にどうなんか知らんけど。

私の、占い師とかスピリチュアル系心理カウンセラーとかに対する偏見やと思う。ほんの数件の「毒気」に触れると、そのインパクトが強くて勝手にカテゴライズしちゃうもんね、人って。おせっかいな防衛本能ってやつ。

 

「偏見」を持つって、ふっつーーーーーのことです。

偏屈ジジイだけの特性じゃなく、ワタシにもアナタにも偏見は、ある。

 

「私は視野が広いし、高次元(?)だし、波動も高い(?)から、そんな偏見なんて・・・」って人だって、自分が気付いてないところで偏見ゴリラの顔してんだよ。まず「ある」(あるかもしれない、でもOK)って前提じゃないと、社会は簡単に地獄を生む。それを知っておかないと、って思う。

 

蟹座の暴走

それで冒頭の、蟹座の負の側面のハナシに戻るんだけど、その極みが「戦争」であって、「ホロコースト(大量虐殺)」なんだよね。全体主義ってやつ。

 

全体主義

みんなの「イイネ!」がひとりひとりの「イイネ!」より優先されるべきって考え方。ひとりひとりは全員、みんなという共同体のために存在している。

 

全体主義」とか「帝国主義」って歴史の教科書に出てくる昔のクレイジーな政治システムじゃないよ。蟹座が暴走した結果起こる悲劇、ってこと。

 

蟹座は悪じゃないよ。ちょっと前に流行った「One for All, All for One」の美徳も蟹座の世界観。最後のOneの解釈で蟹座と山羊座に枝分かれするんだけど…

 

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一致団結とか、絆とか、そういう「心のむすびつき」を強めようってのが蟹座ね。全員で協力して成果をあげようってのが山羊座。これは対立してるんじゃなくて、お互いがお互いを必要としている要素

 

蟹座は山羊座の土台になるし、山羊座は蟹座の理由づけになる。どっちも同じベクトル上(One for All, All for One!)にある。蟹座が暴走すれば、そこに刺激されて山羊座も反応する。全体主義が、社会システムそのものを変えてしまう。

 

ハンナ・アーレント

蟹座の暴走、全体主義を批判した哲学者のひとり、ハンナ・アーレントは、全体主義に社会を動かしたのは、少数の巨悪の存在じゃなくて、大多数の一般ピーポーだ」って言ったわけ。

 

彼女はユダヤ人迫害を逃れてアメリカに亡命した人なんだけど、強制収容所の最高責任者アイヒマンの裁判を傍聴して衝撃を受けたのね。「めっちゃふつーのおっさん、どこにでもいるサラリーマンやん」って。

 

あれだけの人が惨い仕打ちを受けて、苦しんで、命を奪われた。非人道的なサイコパスじゃないとそんな仕事、できやしないだろう、ってそう思ってたのに。アイヒマンは極端に冷酷な人間でも、凄まじく邪悪な心の持ち主でもなく、「普通の気の弱いひとりの人」だった。

 

それでハンナは、どうしてこんなことが起こったのか、全体主義はどうやって生まれたのか考えて、「思考停止した凡人が、悪の正体だった」って発表したの。そんでボコボコに批判(非難)された。

 

だって、ハンナはユダヤ人にもその責任があるって言うもんだから。アイヒマンを擁護してユダヤ人を批判するなんて、とんでもない女だ!!って。

 

ワレワレふっつーーの人が、もしかするとむしろ「意識高い系」だったり「愛を語るスピリチュアリスト」だったりしたかもしれない特別な悪でもなんでもない人が、どうしてこんな凄まじい地獄を生み出したのか??

 

そのハナシがすごく興味深くて、ここで紹介させてほしいの。もちろん占星術を絡めて!むつかしい用語とか政治的なハナシは抜きにして(私もシロウトやからよくわからん)、ざっくりね。

 

何を軸に生きるか

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ハンナは「生き方の目安」が理想の追求だとか真理だとか、そういう抽象的なもんを追いかけてるから現実に目を向けられねぇんだ!と言う。

 

私、こっちの生き方にすごく憧れちゃうんだけど。(笑)

例えばスピリチュアルね。愛だとか平和だとか「抽象的な」概念で生き方を指針にする。自分の精神性をいかに高めるか、とか、いかに自己実現する(幸せな自分を手に入れる、引き寄せる)かってことばかり考えてる人は、他人の存在をないがしろにする

ハンナが「世界疎外」って表現してること。

 

目の前の人の存在は、あなたが作り出したものなんです。

自分の心を見つめましょう。

その極端な例ですな。

 

その人は確かにそこにいるし、その人の人生を生きている。自己実現のためにあるわけじゃない。そこんとこ目をつむる人が集合してできた社会は、全体主義に向かう。

 

ほんでそれに対して、具体的な目の前の生活を生き方の基準に据えますよって考え方が、「活動的生活」。

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この活動的生活も3段階に分かれていて、労働→仕事→活動って展開する。

労働は食ってくためにする活動、ライスワークですな。仕事が、やりがいとか成功とか成長とか、何か目的があってそれを達成するための活動。ここまではすごく私的な働き。

 

活動の段階で人は社会とかかわりを持つ。自発的に、自分が望んで関わっていこうとすること。社会の中でできること、誰かとためにできることに取り組む

 

労働ありきの社会

そんで、この優先順位がひっくりかえっちゃってるよ!!ってことをハンナは言ってる。最下層にあるはずの「労働」が、最重要項目になってるでしょ。だから、虚しい。

 

最近は「仕事」が盛り上がってきてるよね。

自分のやりたいことをする!って。

 

でもその先、活動まで行かないと。社会全体の成熟度で言えば、今はまだまだニホンも他の国も未熟なんだろうなぁって思う。今はね。でもそうやって進んではいるから、私は結構楽観的に希望を持ってるニンゲンなんだけど。

 

 暗い面ばっかり目についちゃうけど、トータルで見れば世界は良くなってきているよ!ってハナシを、主観的な希望じゃなく、データに基づいた科学で教えてくれる本↓

 

さてハンナは「活動」が弱くなると、これまた全体主義に進んでいくぞ、って警告している。もう死語かな?って気もするけど、無縁社会孤立社会ってやつをハンナは「アトム化」してると表現して、これまた全体主義の要素になりうる、って。

 

それぞれが自分の所属するコミュニティを失って、バラバラの原子(アトム)みたいになっていると、極度の不安や緊張におちいったとき、大きな拠り所を求めてしまうから。

 

分かりやすい思想、救済の物語、共通の敵

 

ね、昔話じゃないでしょ。

ハンナの警告は「今」に向けられてるんだよ。

 

現実の不安や緊張が高まって、それに耐えられなくと、人々は分かりやすいイデオロギーに走る。それが全体主義を引き起こす。

 

これ、全く他人事じゃないよ。パンデミックもそうでしょ。

分かりやすい対立構造、分かりやすい思想、分かりやすい方針を示してくれれば、目を輝かせてそれに乗るんだよ、ニンゲンってやつは。

 

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 思考停止した凡人

思考停止した人は、自分を変えようとしない。自分が偏見ゴリラになる(なっている)可能性ってやつを否定する。レッテル張りをする。責任転嫁をする。

 

情報を収集・拡散を「自分抜き」にしている大多数のワレワレは、そうとも知らずに地獄を作る素質がある、ってこと。

 

情報が多いとか悪いとかそういうことじゃなくって。

まず「自分は」どこの誰でどんな経験をしてきてどんな考え方や価値観をもった人間なのか、「自分視点」ありきで情報に向き合おう。

これ、『対話をデザインする』って本で出てきたコトバなんだけどね。

 

ここにもまさかハンナ・アーレントが出てくるなんて、おどろき。 連続の出会い。

 

この本でピックアップされていたハンナの思想は、「自由な活動のためには、所属先からの自由が必要」って部分だったかな。ちょっと具体的なハナシわすれちゃった。

 

蟹座から獅子座への移り変わりのことだな、ってそう思ったの。

 

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向かうべき方向性

まずは所属からの自由。「みんな」ありきの蟹座から抜けて、「オレはオレ」という視点を手に入れた獅子座。これが三つの活動の中で「仕事=自己実現」レベルまで来たところかな?

 

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ここから先に進むために、「活動」ありきの社会に成熟するために、次は乙女座の視点を学ばないといけない。

 

『対話をデザインする』の中では「自分のテーマを持ちつつ社会の中で活動する」って書いてたんだけど、これって獅子座から乙女座への移行じゃない?自分のテーマを持ちつつ、ってのがミソ。獅子座を踏まえたうえでの、乙女座だから。

 

さらに「自分と相手の関わりあい、活動を通して自分という存在が見えてくる」ってのが天秤座。1ハウスと7ハウスのラインね。

 

自分以外の存在がいなければ、そこに自分もいない。

この自分の存在と他人の存在を繋ぐラインってのは、存在の根拠を与え合うライン。

 

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獅子座シーズンだし、水瓶座の土台になる獅子座のこのステージをしっかりと確認して先に進もうってことかもしれない。

 

水瓶座は一歩間違えると粛清の嵐」って言葉が耳の奥に響く。選民思想とか、人間味のない全体主義とかってのは、水瓶座の暴走でもある。

 

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だから今は、獅子座という足場をちゃんと豊かにすべきときなのかもしれない。情報に「自分」をくぐらせること。言葉の中にある体温、生身の自分を大切にすること。

 

風の時代だからって、焦って人の落した羽を拾い集めると・・・太陽に近付けば近付くほど、その翼は溶けて崩れて、最終的には地上に真っ逆さま。

 

「羽」は風の象徴ですな。風は占星術的に言えば「コトバの力」でもある。情報や、コミュニケーション。それは、自分のコトバか?ってこと。他人のコトバを繋ぎ合わせただけのハリボテの翼じゃないか?

 

自分の翼で飛ぶ。そのためには、「軽くなれ」という世論と矛盾してるようだけど、コトバに重みが必要なんだ。「耳を傾けるに足る」コトバが。

それは、「誰にでも言える正しい」コトバとは違う。

 

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 蟹座のエネルギーを陽転する

もうひとつ、蟹座の暴走をくいとめるのにこれはイイんじゃないか!!と思えること。それが「鎮魂」の技術ともいえる叡智。

 

ラテン語の「sacer」は、聖なるもの「sacred」の語源なんだけど、この言葉には「呪い」や「恐ろしいもの」「穢れ」という意味も含んでいる。

 

聖なるものと穢れとか呪いって正反対の性質なんだけど、根っこというか存在感と言うか「絶対値」が同じなのね。(-5と+5は正反対にあるけど、絶対値は同じ5)

 

絶対値に対してピックアップするカテゴリーを変えちゃう。

-100ぐらいの恐ろしい祟りパワーを、100という絶対値だけを抽出して逆方向のカテゴリーで捉えなおす。+100の強力なsacred(聖なる)パワーになっちまうってわけ。

 

日本では「呪い=祟り」を「聖なるもの=神」として祀るでしょ。道真公とか、平清盛とか。それってのは、カテゴリー変換の知恵、鎮魂の技術なんだ

 

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マイナス100の蟹座の暴走を、プラス100の心の強さに「陽転する」ってこと。具体的にどんなカテゴリー変換ができるのか??私の中じゃまだコトバはまとまってないけど、とりあえずここまでは目もしておこうと思う。

 

 

 

社会情勢のこととか、経済とか政治とかってネタはむちゃんこ苦手で(早く隠居したい、というか出家したいと思ってるくらい)、その手のハナシには「あー・・・」って引いてしまうくらいの「社会的関心の低い層の最下部」にいるワタシですが。

 

何度も出てくるキーワードであり、思うところもあったのでこうしてひとつブログでがんばってまとめてみました。これ書くの1日かかってる・・・(笑)

 

 

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