「物語」だからできること

心理学界の巨匠、河合隼雄先生が京大で開講した最終講義が「コンステレーションについて」だったんだって。

 


河合隼雄 - 京大最終講義 コンステレーションについて

 

コンステレーション(constellation)=星座、布置、共時性

 

一見無関係なものどうしのつながりが、全体の中である「意味」を持ったものとして浮かび上がること。大きな視点での関係性を見出すこと。

 

背景もスケールも違う、出来事Aと出来事Bの関係なさそうな繋がりの「意味」に気付くこと。そこでダイジなのは、出来事Aと出来事Bのが「再現可能な因果関係かどうか」っていう自然科学的な客観的視点(統計)じゃなく・・・

 

 「私が」「このタイミングで」そこにコンステレーションを見つけたから意味があるんだっていう主観的視点

自分自身も、その星座(コンステレーション)を構成する一点だっていう自覚。関係のないところから眺める観測者じゃない。主語をハッキリと置かない「日本語的」な世界観。

 

↓客観的な「情報」じゃないよ、って言いたかった過去記事↓

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河合隼雄先生と、小説家小川洋子さんの対談本がおもしろかった。いくつか書き出した文章と、そのメモをブログで書き残しておきたい( ..)φ

 

小川洋子さんは『博士の愛した数式 (新潮文庫)』の著者。昔読んだけど、細かい部分忘れたな・・・。記憶が80分しかもたない数学博士と、主人公の家政婦と、主人公の息子である少年の物語。映画にも、漫画にもなってる。

 

河合隼雄先生も、元数学教師。

 

(河合)線を引いて、ここからここまでが人間とする。心は1から2で、体は2から3とすると、その間が無限にあるし分けることもできない。

 

(小川)ああ、2.00000・・・・・。

 

(河合)そうそう。分けられないものを分けてしまうと、何か大事なものを飛ばしてしまうことになる。その一番大事なものが魂だ、というのが僕の魂の定義なんです。

 

河合先生の言う「魂」ってやつは、アナログな何か。

デジタルに0と1でピキッとわけられるもんじゃない。

 

デジタルに慣れすぎてアナログ感覚を忘れつつある現代人は、魂的な感覚も忘れがちなのかも。1に満たない刺激、0でも1でも無い刺激にも反応する部分

 

 

人は、生きていくうえで難しい現実をどうやって受け入れていくかということに直面した時に、それをありのままの形では到底受け入れがたいので、自分の心の形に合うように、その人なりの現実を物語化して記憶にしていくという作業を、必ずやっていると思うんです。

 

人の記憶って、歴史の年表みたいな羅列された情報じゃない。記憶に残っていることってのは、その持ち主による「意味付け」がされた出来事のこと

 

↓「記憶」について書いた過去記事

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↓残っていない「記憶」はどこに行ったのか?ってハナシ

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↓物語は鎮魂。魂を鎮めて、癒すために、ニンゲンは物語る。

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神話とか説話とか昔話には、現代人の悩みがもう全て凝縮されて表現されている

 

そういえば人間の脳って、1万年以上進化していないらしいよ。生物としての仕組み的なことを言えば、ニンゲンって1万年以上ずっと変わっていないってことになる。

 

表面的なことは劇的に変化し続けているけど、中身は変わっちゃいない。

 

だから、何百年も時代を経ても、人の心を動かして読み継がれてきた「古典」ってやつは、ニンゲンの本質的な部分にせまるナニカがあるんだろう、って。

 

 そいでもシロートにゃ古典はむずかしい!ってことで、こういうカジュアルで笑える、かつじわーーっと心に響く解釈をしてくれる本で楽しんでます。

 

野の古典

野の古典

 
安田登 特別授業『史記』

安田登 特別授業『史記』

 
役に立つ古典 NHK出版 学びのきほん

役に立つ古典 NHK出版 学びのきほん

 

 能楽師の安田登先生が書く古典のハナシが好き。

これ全部、まだKindleのサンプルページまでしか読んでない。際限なく購入してしまうとタイヘンなことになるから、早く働いて読書代を稼ごうと思う。誰かホロスコープ読みを依頼してください。(笑)

 

 

「個」というものは、実は無限な広がりを持っているのに、人間は自分の知っている範囲内で個に執着するからね。私はこういう人間やからこうだとか、あれが欲しいとか

 

「個」というのは、本当はそんな単純なものじゃないのに、そんなところを基にして、限定された中で合理的に考えるからろくなことがないです。前提が間違っているんですから。(笑)

 

(小川)何か大きな流れの中の一部として、自分を捉えるような見方が足りないんですね。

 

(河合)「個」を大きな流れの中で考える、そういうふうに「個」をみるいうことはものすごく大事なんじゃないですかね。

 

 「大いなる魔女」の視点ですな。

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占星術を学んでいると、自分も森(星)の一部なんだな・・・・!!!ってエライ感動させられるよ。特にいろんな人の「物語」を読ませてもらうと。

 

 

人間は矛盾しているから生きている。全く矛盾性のない、整合性のあるものは、生き物ではなくて機械です。命というのはそもそも矛盾を孕んでいるものであって、その矛盾を生きている存在として、自分はこういうふうに矛盾しているんだとか、なぜ矛盾しているんだということを、意識して生きていくよりしかたないんじゃないかと、この頃思っています。そして、それをごまかさない。

 

「その矛盾を私はこう生きました」というところに、個性がひかるんじゃないかと思っているんです。

 

(小川)矛盾との折り合いのつけ方にこそ、その人の個性が発揮される。

(河合)そしてその時には、自然科学じゃなくて、物語だとしか言いようがない。

(小川)そこで個人を支えるのが物語なんですね。

 

この「矛盾」は、占星術でよく出てくる「葛藤」にあたるんじゃないかな。

例えばハードアスペクトと呼ばれる「葛藤」の配置を生まれ持った人にとって、「あなたは苦労する星のもとに生まれています」と言われることになんの意味もないわけで。

 

その葛藤、矛盾に「実感」として出会ったときに、その人らしさ、個性とか魅力とか言われるところに光を当てられるのが「物語」だってのは、私も強くそう感じる。

占星術ホロスコープに編み込まれた「物語」をほどいて、その場その場で必要とされる物語として紡ぎ直すのが、星を読むワレワレの役割だ、って。

 

↓葛藤を秘めた「物語」に触れた過去記事↓

 喉にひっかかった小骨のような葛藤。

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 セミスクエア(45度)、期待と意志の葛藤。

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金星と蠍座の、思い出せなくても覚えている「愛」にまつわる葛藤。

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 TスクエアとYOD、自己表現の葛藤。

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インターセプト、外からはうかがい知れない葛藤。

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Tスクエア、グランドクロストールハンマー、なんだかすごい名前がついている葛藤たち・・・

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 こうやって星を通して人と出会い、物語を読ませていただいて、いろんなメッセージをいただいて・・・癒されているのは、私のほうだった。

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それは「やってあげたぜ」って達成感とか承認欲求とはちょっと違ってて。

上の過去記事で名越先生が言っているように、遠くでそれぞれに「生きて」いるヒトがいる・・・それに触れるから起きる安心感と言うか、刺激される生命力というか。

 

 あ、これだ。

人と向き合うってそういうことか。

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毎回、あつくるしくてうっとおしいくらいに本気モード。全身全霊で書いたお手紙。そうやって自分の生命力を高めてるんだろうなーって。

 

 

そんでもって、葛藤そのものが、生命力だってハナシ。

生命はジレンマで出来ている。月とか、火星とか、金星に絡めて書いた過去記事。

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いくら自然科学が発達して、人間の死について論理的な説明ができるようになったとしても、私の死、私の親しい人の死、については何の解決にもならない。

「なぜ死んだのか」と問われ、「出血多量です」と答えても無意味なのである。

 

その恐怖や悲しみを受け入れるために、物語が必要になってくる。

死に続く生、無の中の有を思い描くこと、つまり物語ることによってようやく、死の存在と折り合いをつけられる。

 

物語を持つことによって初めて人間は、身体と精神、外界と内界、意識と無意識を結び付け、自分を一つに統合できる。

人間は表層の悩みによって、深層世界に落ち込んでいる悩みを感じないようにして生きている

 

表面的な部分は理性によって強化できるが、内面の深いところにある混沌は論理的な言葉では表現できない。

それを表出させ、表層の意識とつなげて心を一つの全体とし、更に他人ともつながってゆく、そのために必要なのが物語である。

物語に託せば、言葉にできない混沌を言葉にする、という不条理が可能になる。

 

生きるとは、自分にふさわしい、自分の物語を作り上げて行くことに他ならない。

 

これはあとがきで、小説家の小川さんが書いていたこと。

 

自分が直面したり、小細工を施したりしたわけでもないのに、何かの働きによって物事が上手い具合に収まってゆく。

あるいは、無関係だったはずの出来事が知らず知らずのうちに結びつき、想像を超えた発展を見せる。人生は物語みたいだなあ、とふと思う。

その瞬間、私は現実の本質に最も近接している実感を持ちます。

現実と物語が反発するのではなく、境界線をなくして一つに溶け合った時こそ、大事な真実がよく見えてくるのです

 

あ、コンステレーションだ。

境界線をなくして溶け合うってのは海王星の働きで、魚座的要素だし、深く深く結びついていくとか真実を見出すってのは8ハウス、蠍座冥王星的でもある。

 

どっちにしてもヒトのちっちぇえ「意図」(コレがヨイだろう、という計算)でどうこうできるレベル(階層、次元)じゃないだな。

 

統計からポンと飛び出す誤差・・・科学的態度であれば「これは何かの間違いよね」とはじかれるその誤差にも真剣に向き合って意味を見出そうとするのが、オカルトや占いの良さ(面白さ)だと思ってます。

目の前に現れた「偶然」ひとつひとつに神秘的な意味を見出す態度、世界と自分を結びつけようとする態度です。

 

その「偶然」から個々人が何を見るのか。何を感じ取るのか。どう心が動くのか。そこに焦点を当てて「物語の言語化」をするのが占いなのかな〜、と。それが、占いの面白さであり、未来に活用できる「実用的」な側面だと思います。

 

「占い」と「思い込み」 - STAR SHIP☆星読み航海図

 

「私は何のために生まれてきたんだろう」

なんてなんも意味のない問いだと思うんですよ。

「で、私は何をしたい?」と問いを立て続けることに意味があるわけで。

人から与えられた「目的」ではなく、自分で創り出す未来を。

 

人間を生きる - STAR SHIP☆星読み航海図

 

小川さんは「生きるとは、自分にふさわしい、自分の物語を作り上げて行くことに他ならない」と書いていた。私も、占星術を通してそれを感じる。

 

誰かの心を支えるために必要なその物語が、間違いなくこの世に存在していることを証明するため、一字一字丁寧に書き留めてゆく。それが、私の書く小説だ……と。

 

おおお。

小川さんの「小説」の部分が、私の「星読み」だ。

今、小川さんの言葉と対談本とキンドルと私がコンステレートしたぜ。

 

 

 もうひとつコンステレーション


言葉をすらすら出せるようになる方法。それは、毎日1万字単位のインプットと千字単位のアウトプットで言語神経を鍛えることです。

 

  「意識と無意識の架け橋」として、コトバを鍛える。

 

 

さて、コンステレートが続くので、私も応えます!!

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 こっちは次の更新、もうちょっと後になりそう。